Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2007年08月17日(金) |
Tell me baby what's your story |
家からすぐの古本屋「象のあし」は、翻訳ミステリーを引き取らないのが困るが、和モノは好む。三日前も筒井康隆の文庫を45冊持ちこみ、半数が状態が古かったが1,200円。今日は日本文学の文庫を7、8冊持ち込んだら今度はそれだけで650円。どうやら稲垣足穂一冊のおかげらしい。
マチちゃんが焼いてくれたジョン・フルシャンテのソロを聴く。何枚かある中で、1stの'Niandra Lades And Usually Just A T-Shirt'は聴くのが実に三年半ぶりにして二度目。一度目は2004年3月にLEO(g)宅で聴いたが、二人して「何だこりゃ」と言って笑った。さて、三年半を経て聴いた感想は。・・・何だこりゃw これは普通の感覚で聴いたら、プロの作品どころか、正気の人間の作ですらない。ベックの1stは宅録だが、これに比べれば遥かに立派な出来だ。 しかし。ジョンを愛し続けてはや5年、もうこちとら「普通の感覚」では聴かないのだ。マチちゃんはさらっとこれを「いいでしょ?」と言う。スッゲーなその愛は、と思いつつ、私も多少のことでは動じなくなっている。明け方にこんなの聴いていたら、(多分自分でやってると思われて)お隣さんに警察もしくは救急車を呼ばれてしまうのでは、と理性が言うのだが、一方でこの出鱈目なオブジェのような作品を丹念に仔細に聴き入ってしまう自分がいる。何故なら、これはジョンだからだ。 ああ、「ジョン」だな、と思う。もう物凄く、100%ジョンだ。どれだけギターの音が揺れても、どれだけ歌の節回しが適当でも、少しも「外れた」ように聞こえないどころか、全てが地面に吸いつくようにぴたっとおさまっている。 もしも音楽の究極の目的が自己表現なのだとしたら、これほど間違いなく自分の名前を刻んでいる作品も珍しいだろう。ジョンだわ、これ。
この音楽は、例えば世界に何かメッセージを訴えようとか、ましてや世界をよりよく変えようなんて思ってもいないに違いない。ただ無心に穴を掘り、ただ無心に自分をかきむしり、ただ石に名前を刻んだのだ。 「文学は飢えた子供を救わなくていい」というのは、私が20歳で到達した結論であり、未だにそれを修正する気はない。 ジョンは何も成し遂げなくても、変えなくてもいい。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのファンは「レッチリ教」と皮肉られることがある。レッチリなら何でもいいといわんばかりに興奮し熱狂するからだ。 普通はそういう状態のファンは、アーティストの成長を妨げる。しかしレッチリは、あまりにも自分たちを真摯に見詰め続けているので、それすら気づかない。それでファンが飲み込まれる。かくして通常ならあり得ないような恋愛関係が成立する。 レッド・ホット・チリ・ペッパーズとは、その愛に値するバンドなのだ。
Tell me baby what's your story (ただあなたの話が聞きたい) *Tell Me Baby / Red Hot Chili Peppers (2006) の歌詞。
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