Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2006年12月19日(火)  You say you will but you don't know when

うーわ、しびれる。一昨日はみー(g)に貸してもらったライヴ'To The Bone'US盤の'State Of Confusion'(私のはUK盤なので、Disc2がない)
ぱきぱきに安っちいギターのカッティングが何だかお嬢ちゃんぽい三連符に続いたと思うと、オヤジ臭い雄叫びが。鼻詰りのような、ピッチも不確かなボーカルが歌いだす。ドラムが8小節目のケツでスネア2発ってのがださい。ブレイクの入れ方も何てベタ。なのにがっしりとかっこいい。
ロンドン・パンクだわ、これ。
初期のヒット曲しか知らない人には、スタジオ盤を聴かせてすら誰だかわからない、この時代───'80年代アリスタ時代のキンクス
ダサくて、すかすかで、ロマンもロマンスもない。だが強烈なシニシズムと、同時に矛盾するようなヒューマニズムがある。

キンクスは変なバンドだ。レイモンド・ダグラス・デイヴィスがつくった。ストレートで可愛らしい前期パイ時代、切なく胸に迫る後期パイ時代(私の一番好きな頃)、何だか洒落てるようでもあるRCA時代、アリスタ時代も'79年の'Low Budget'以降は急にハードな音になる。いつの時代もロマンスを歌わず、だから一般には受けない。けれど私が実際に見た限りでは、現在のイギリスにおいてはビートルズよりもストーンズよりも広く深く大衆に愛されている。

キンクスというバンドは、あれほど有名なバンドでありながら、他のミュージシャンやバンドと殆どかかわりを持っていない。イギリス4大バンドの他の三つ───ビートルズ、ストーンズ、フーはそれぞれ交流があるというのに、キンクスだけは、まるで存在を知られていないかのような印象すら受ける。(ピート・タウンゼントはキンクスの大ファンらしいが)
そして今やキンクスは、解散こそしていないが完全に死んだも同然の状態だ。最後にスタジオ盤を出したのは1993年。
2005年には'Waterloo Sunset'が最優秀ブリティッシュ・ソングの第二位になり(ちなみに一位は私が泣くほど愛してやまない、ビートルズの'A Day In The Life'、三位もこれまた好きでたまらない、オアシスの'Wonderwall')、その後バンドはUKの音楽の殿堂入りを果たす。────全て、死者への献花のようだ。

2006年1月、レイは、弟デイヴを含むメンバーでキンクスの活動を再開する意思があると語ったが。あれからすでに一年が経過しようとしている。
私はキンクスのライヴを3回観ているが。ぜひもう一度、もう一度だけでも観たい。
ファン・サーヴィスでも何でもいいから、何とかもう一度だけ気まぐれを起こしてくれないか。来日しないならロンドンまで行くから。何とか、お願い。

You say you will but you don't know when (やる意思はあるって言ったけど、いつになるの?)  *Do It Again(もう一度やって) / Kinks (1984) の歌詞。



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