Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2006年11月04日(土) |
All the time I find I'm living in that evening with that feeling of sticky love inside |
夜、一人きりでいるのが4日ぶりなので、何だかすごく静かだ。今夜は珍しく音楽も聴いていない。 午前3時にNobuから電話があって、切ったのをきっかけに、何となくケイト・ブッシュを少し聴く。私にとってケイト・ブッシュとは最初の4枚───3年間の沈黙に入る前の、何かに憑かれたようなあの4枚のみだ。あれこれぱらぱらと聴いて、結局は1stの"The Kick Inside"にしみじみと感じ入る。 これを出した時、ケイト・ブッシュは19歳だった。これに出会った時の私も19歳。そしてその臆面もない耽美主義、肉体的に未熟なのに、皮膚と心が内側から赤く発光するほどに燃え上がっている「お嬢さん」の"L'Amour"に圧倒された。自分の哲学と自分の性の折り合いがつかずじたばたしていた当時の私に、"L'Amour Looks Something Like You"の"I'm dying for you just to touch me"というフレーズは、軽い恐怖すら抱かせた。だがそのメロディの、何と美しいこと。 この音楽は、何もない夜に、架空の恋心を生み出す。おかげで私は、恋愛体質にすっかり拍車がかかってしまって。
その半年後の夏の夜、私は自分のバンドのベーシストの部屋にいた。ベランダに通じるガラス戸をあけて、低く"Moving"───"The Kick Inside"の1曲目を歌った。自分の声が夜に拡散した。彼が横で黙って聴いていた。 ──────まあ、多分、そういうことがいけなかったんだろう。 彼と一緒に暮らし、結婚して、離婚して。その代わりが探せず。 今は私の哲学と性とは混じりあっているけれど。今は、愛したい気持ちと歌いたい気持ちの区別がつかなくなっている。 この世には、真実なんかより美しいものがあって、それが私を眠らせてくれない。それが私を平穏な巣から追い立てる。
All the time I find I'm living in that evening with that feeling of sticky love inside (いつも自分があの夜に戻っていくのを感じる。あの時感じた粘りつくような恋心に) *L'Amour Looks Something Like You / Kate Bush (1978) の歌詞。
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