Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2002年12月19日(木) |
Helpless, helpless, helpless. Baby can you hear me now? |
今夜はまたご近所で飲んだ。同じコース。最初Guysで、次がTom Boy Club。 気づいたのは、女一人で静かに飲むのは意外と難しいということ。まず店の人が話しかけてくる。退屈させないようにとの配慮だろうが、実は私は退屈なんかしないのだ。話し相手が欲しければいくらでも調達は出来る。あえて孤独に飲んでやろうと思って、うちの父が若い頃好んでいたという「群集の中の孤独」というやつを味わうべく、わざわざ出かけて来ているのだ。でもそれがなかなか。 Guysでギルビーのストレート2杯飲んで出る。
Tom Boy Clubでは今日はザ・バンドのCDを持ち込んでかけてもらう。"Stage Fright"と"Up On Cripple Creek"を両方聴きたかったので、18曲も入っているベストを持っていったら、全部通してかけてくれた。こうなるといよいよ一人静かに酔いたいものだが。 隣の親父が話しかけてくるのだ。しかも酔払ってるので同じことを何度も聞く。奢ってくれたんじゃなければ災害に近かったな、あれ。 親父、自分が読書好きだと言い張る。「何であなたは中原中也なんか知ってるんですかあー。普通知らないでしょう。まして音楽詳しい人は知らないでしょー」って・・・中也は教科書にも載ってるよ・・・音楽好きは中也知らないって・・・アンダースローされた灰が蒼ざめるわよ。ついでに朔太郎の青猫も月に吠えるわよ。 「あなたは作家はじゃあ誰がいいんですかぁー?」って言うから、どの国にしますか?って聞いたら青ざめやがった。米?英?仏?独?露? 黙ってるので、日本にしておいた。谷崎、三島、太宰、川端、安部公房、坂口安吾、筒井康隆、最近ならば町田康。親父、こんなひねりのないラインナップなのに黙り込む。「・・・川端は、あれはノーベル賞なんか取ってるけど、良いんですかねえー」なんて言うから、「川端は一級のポルノです」と答えたらまた黙る。この親父に「眠れる美女」や「片腕」のエロを説明したところでしょうがないか。 親父、逃げようとして、「いやあ、僕は純文学より推理小説が好きでねえ」などと口走る。 ・・・私には自分の目がきらりと光るのが見えたね。その発言、追いはぎにあってノーマン・ベイツの家に逃げ込むようなもの。さあ、どう料理してやろうかと爪を研ぎながら、まずは一般的な話題から、と、「この前、鮎川哲也が死んじゃいましたねえ」と言ったら、しーんと黙り込んだ。どうやら親父、江戸川乱歩しか知らないらしい。ふー。爪をひっこめる。つまんなーい。引っかく価値すらないや。セバスチャン・ジャプリゾくらい言いたかったなー。
どういうわけか私は時々、初対面の相手に中途半端な文学論だの音楽論だのを挑まれる。私は音楽も本も語れるほどの知識はないのだが、相手がうわべだけの薄っぺらな知識を振りかざし、自分の言葉で喋っていないと知った時には、足腰立たなくなるまで叩きのめすことにしている。 この時の親父は余りにも知識がなく、また基本的に気のいい親父であったので、特に攻撃しなかったが。 こちとら普段、綱島さんのような最高の知性を相手に会話しているのである。そこらの50代風情がなめてかかると痛い目見るわよ。綱島さんに言わせれば私の精神年齢は70歳。今まで生きてきて一番の褒め言葉。
それでもジンはおいしい。シュタインヘイガー、タンカレー、ボンベイ。 ラッキーが買えなかったのでやむなくマルボロを吸う。店のマスターが、 「さっきから見てたら吹かしてるだけじゃない。そんなんだったらやめなよ。体に悪いからさ」と言う。あらら、ほんとだ。どういうわけか私、すっぱすっぱ吹かしてた。 苛々してたのか? にしても今日はやたらと説教される日だ。酒は控えろって哲に言われるし。まるでガイ・フォークスに火の用心を説かれてるみたいね。
3時頃店を出る。またキウイいっぱいもらう。食いつなげそうなくらい。
いい感じにほろ酔い。そしてまた哲に電話しちゃった。これが大失敗。 ほんと、酔払って電話なんかするもんじゃないね。 意識に一枚何か被さってて、自分の声が少し遠くて、だからまるで説得するかのように、自分の本音に向かってわめきたてる羽目になる。 ――――「もう会わない」って言ったんだ。
幸いなことには電話を切った瞬間にすいっと気絶。コート着たままソファで4時間寝てた。60時間以上寝てなかったからね。今回は精神状態至って健やかなままだった。最後おかしな電話しちゃったのは、あくまで私の気持ちと、ジンの後押し。
それでは今日のタイトルは、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの名曲から。
Helpless, helpless, helpless. Baby can you hear me now? (私、ダメなの。聞こえる?) *Helpless / Crosby, Stills, Nash & Young (1970) の歌詞。
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