Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2002年12月03日(火)  Attracts me like no other lover

(この日記は、ロンドン滞在中はネットカフェから英語でアップして、帰国後に一気に日本語に直しました。この日の英文だけ思い入れがあったので、一部残しておきました)

Visiting Waterloo Station means nothing. Nothing but Terry meets Julie at this station every Friday night. Ray Davies sings so. That's all.
That means EVERYTHING to me. Stupid girl.
Funny, but the station reminded me of my husband, came here with me ten years ago.

Crossed Waterloo Bridge as Terry and Julie did, safe and sound.

Had a strong feeling that I don't want to go back to Tokyo. I love it here, London. I love you more than ever.
Two weeks is short time but long enough to make me cry when I leave here.

Don't wanna leave him now.
You know I believe and how.

昨夜は部屋に帰ると同時に気を失った。服も全部着たままで。最近毎晩のようにこうだ。
5時に目覚める。6時間以上も寝たらしい。

1階(日本で言う3階)にお引っ越し。再度ドライヤー(部屋の壁に取り付けてあって、取り外し不可)が故障した為。一度は自然に直ったのだが、多分今回はもうダメだろう。今回は一切怒らずに、 「また壊れたんだけど、どしたらいい?」 てな感じであどけない顔して聞いてみた。そしたらあっさり別の部屋に移してくれたのだ。前よりも広くて快適で、バスタブもついている。・・・ふーむ。次回からはこの手でいこう。

軽い朝食を取って出かける。

チューブでタワー・ヒルへ。ロンドン塔へ外側からだけちょいとご挨拶。観光名所に来るのは、今回の旅で初めて。駅前で焼き栗を買って、歩きながら食べる。ホットドッグスタンドがあって、通り過ぎようとしたのだが、誘惑に勝てずハンバーガーを作ってもらう。でかい・・・ 一体私、今何キロなんだろ・・・

タワー・ブリッジを渡る。汚いテムズを下に眺める。
ロンドン・ブリッジ駅に行く途中で、ロンドン・ダンジョンがあったので入る。ここはロンドンの残虐・怪奇趣味を集めたような場所で、こけおどしな感じで今まで見向きもしなかったのだ。入ってみたところ、確かにちゃちくて安っぽいのだが、俳優らしき係員たちの演技ぶりがなかなか堂に入っていて楽しめた。

チューブでウォータールーへ。
小さいマーケットを見つけて、カードを何枚か買う。
ウォータールー駅に来たって、別に何があるわけじゃない。ここはただの大きな駅で、リバプール・ストリートやなんかと何も変わらない。
何の意味もない。ただ、テリーがジュリーに毎週金曜の晩にこの駅で会う、それだけだ。レイ・デイヴィスがそう歌ってるだけ。
それが、私にとっては、あらゆる価値を凌駕する。────何て馬鹿なんだろ、私。

おかしなことに、この駅の前に立ってるとダンナを思い出した。ここに10年前に一緒に来たんだ。

黒い大きな犬を連れたホームレスの男性が'Big Issue'を売っていたので一冊買う。
この"Big Issue"という雑誌のことは5年前に来た時に知った。何故いつも道端で汚い格好をした人ばかりが売っているのか不思議になり、そのうちにもしやと思い当たり、一人に声をかけて、買うからこの雑誌についておしえてくれと言ったら、喜んで説明してくれた。やはり思った通りで、これは1991年から始まった、ホームレスが社会復帰する手助けをする為のシステムであった。この雑誌を売る為の資格はただひとつ──ホームレスであること。写真付の証明書を首から下げた売り子(ホームレス)は、50ペンス(100円)で購入したBig Issueを1ポンド20ペンス(240円)で売る。寄付金は禁止されている。
このシステムを知って以来私は、ロンドンにいる間は毎週Big Issueを買うようにしている。中身は浅い情報誌にホームレス関係の話題を加えた感じで、読むところなんて殆どないので、大抵はぱらぱらっとめくっただけで終わってしまうが。
それにしてもこの売り子たちの顔が、どの顔も本当に生き生きとしているのには驚く。物乞いをしているホームレスとは雲泥の差どころではない。
この時の犬を連れた男性も同様で、快活な人柄であった。犬の写真を撮ってよいか聞くと快く承諾してくれ、撮れたデジカメ映像を見せるとぜひとも焼き増しが欲しいという。東京に帰ってから送るから少し時間がかかるよというと、東京からではお金がかかるから悪いと言う。たいしたことはないよと言うと、それではせめてこれをと言って、先週号のBig Issueをくれた。
この気持ちの良い男性に感激して、例えば20ポンド札を与えてしまうことは簡単である。でも決してそれをやってはいけない。その金は確実に彼の顔から生彩さとプライドを奪うだろう。
彼の名前はアラン・スミス、犬の名前はJJ。住所が書かれたしみだらけの汚い紙きれは、私の旅の大事な記念品だ。

ウォータールー・ブリッジを渡る。テリーとジュリーのように、安全かつ健全に。

ストランドを歩いてコベント・ガーデンへ。
ジュビリー・マーケットでちゃちい服やポストカードを買う。結構馬鹿げた文句を書いたTシャツなんかも欲しいのだが("Every good girl goes to heaven, every bad girl goes to London."みたいなのね)、ことごとくサイズがでか過ぎる。Sと書いてあっても、明らかに私にとってはLだったり。

今日はパフォーマーも多い。ステージもある。

ケン・ハイのいつものネットカフェで少々メールなど。

チューブでハイベリー&イズリントンへ。ぎりぎりゾーン2の辺鄙な場所。ガレージというライブハウスへ。
だしものの知らずに来たが、すぐにSonic Boom Sixというバンドの演奏が始まると言う。2,000円払って入る。
ボーカルが真っ赤な髪の女の子。何とかロックのセックス・シンボルになろうと一生懸命頑張ってる感じ。時々絶叫。歌詞は"Sex, sex, sex, sex, sex!!" ・・・この子好きだなあ。メインのバンドでない為、客は遠巻きにしているが、ジン飲みつつ一番前に立って見とく。この子が頑張るたんびに、私は嬉しくてくすくす笑ってしまう。Tシャツを出来るだけ色っぽく胸のとこまでまくり上げたり、セクシーなポーズを作って意味ありげに男のメンバーとからんでみたり。そのたびに私はにやにやにや。曲もけして悪くはなかった。ベースが曲書いてると思うんだけど、レッチリのフリーみたいな音だったね。
メインはThe Toastersというバンドで、なるほど演奏のレベルは格段に上がったが、ボーカルとサックスが黒人だった。2、3曲聴いて外に出る。私は実は、ジャンルを問わず黒人音楽は一切受けつけないのだ。

日本に帰りたくないという、殆ど脅迫観念に似た気持ちが湧いてくる。このまま一生ロンドンにいたい。以前からそう思ってはいるわけだけど。

Don't wanna leave him now.
You know I believe and how.

Attracts me like no other lover (こんなに私を魅了する存在は他にはない)  * Something / The Beatles (1969) の歌詞。


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