けろよんの日記
DiaryINDEXpastwill


2004年10月04日(月) 雪子とうさん

 ひょんなことから釣書と写真を預かった。
独身なら見合いするする〜と即座に挙手してしまうような
条件である。
以前「いい話があったらお願いします」と言われていた人がいたので、
こういうお話があるよと喜び勇んでお伝えしたが、、、
相手の職業に気後れする、、というようなことをもぞもぞと言い、
何か気の乗らない・逡巡している様子で、即答よね!と思っていたので
肩透かしをくらったような気がする。

なんか、このもどかしい、たよりない、いらいらした状態。
ん?覚えがある。そうだ、細雪の雪子さまだ!と思い至る。
そういえば、金曜日にランチを戴いた名店「アラスカ」は雪子さまが
小説の中で北浜の製薬会社に勤めるやもめさんとお食事した場所。
(注:と思っていたが、後ほど細雪を読み直すと下巻P.140では、橋寺さんとの
 縁談にかなり乗り気になった次女幸子ねえさんの夫貞之助氏が
 橋寺さんの自宅まで訪問し、その後お出かけ予定だった橋寺さんに
 誘われアラスカで洋食を食べたという記載。
 雪子さまはアラスカでお食事をしたとは書いておりませんでした。ガーン。
 洋食好きでワイン好とのことなので、アラスカは見逃しておられないとは
 思いますが。)

回りの人間が奔走するなか自分のポリシーを頑として譲らず、
姉や義兄、「ふん、ふん」と短い単語でお見合いを斡旋する人々を
翻弄する雪子さまである。
 周囲と共に相手の年齢、家格、格式、収入など本当に五月蝿いのだが、
零落はしても旧家の出。又年は食っても美女である。
それに居候している次姉がかなり上等の男性と幸福を絵に書いたような生活
しているというのも「負けてられへん」という意地というか、それなら自分は
最低でもこのレベルはと思うこともあっただろう。が、
その強情さの中には自分の中は理想の男性象、結婚生活に対する
乙女らしい憧れや含羞も確かにあったに違いない、、、と今更思われる。
 というか、一般的にいう条件的なものは備えていて当たり前で、
+知識と教養、男ぶりなど。

 生真面目で、強情にも思えるほど自分を曲げない人だけれど
理想、怯え、不安、逡巡を垣間見ることもあり。
と同時にもう大人なんだから即答しようよ〜と思う自分もあり。
気楽にいこーよ気楽に。


けろよん |MAIL