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■ネバーランド |
■ 2004年10月08日(金) |
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ネバーランド/恩田陸/集英社文庫
人それぞれ、好きな作家というのはあるだろう。 恩田陸は、私が好きな作家を片手で数え上げるときに、おそらく必ず入るだろう作家だ。
人それぞれ、好きな作家の本の読み方というのがあるだろう。 たとえば、気に入ったら、とりあえずひとしきりその作家の本を読み続ける、とか。 恩田陸は私の好きな作家だ。 けれど、この人の本は、ひたすら読み続けていたいというものとは、ちょっと違う気がする。 こう、読み始めると一気に読めるのだけれど、読み始めるのにパワーがいるのだ。 軽く読める感じではない。 少なくとも、私の中では。
私の友人にも、恩田陸のファンが多い。 新しい本が出ると、ハードカバーでも本が友人の間を行ったりきたりしている。 私もその中に入るときもあるが、多くは入らない。 というのも、恩田陸は「よし、読むぞー!」と気合いを入れないと読み始められないからだ。 決して話が重いからとかではなくて、なんていうか。 恩田陸の世界に自分の精神をシンクロさせたほうが、より物語を楽しめるので、その準備をしたいが、それは疲れるのでどうしようか迷う。 って感じ(あー、自分で書いててよくわからない)。
だから、恩田陸を読むのはちょっと久々。 以前、就活中に『ライオンハート』を読んで以来だろうか。
今回は学園もの。 主人公(というか、主な登場人物)は高校2年生の男の子4人。 設定だけで「きたなー」って感じを受けるのは私だけではないと思いたい。 『麦の海』系かと思いきや、そうでもなかったなぁ。 思ったよりも爽やかな。
いつも思うが、影のある少年少女を書かせたら、恩田陸の右に出る者はいない。 いや、いると思うけれど、私のツボを押さえるキャラクターを書かせたら、って感じで(笑)。
次こそは人格転移を読みたいなー。
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