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■オーバー・ザ・ホライズン 僕は猫と空を行く |
■ 2004年09月17日(金) |
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さぁ、読み終わったぞということで、今日は本メモ。
オーバー・ザ・ホライズン/橘早月/メディアワークス(電撃文庫)
そういえば電撃文庫を手に取るのは久しいなー。 ブギーポップを何冊か読んで以降、デュアン・サークも読まなくなっちゃったからあまり読む機会もなかった電撃だけど、 今回は自分から書店を梯子してまで探してしまった。 この人、新人である。 電撃の大賞をとった…というわけではない。 私がこれを読む理由、それは、これがあのカーマリーの著者である橘さんのデビュー作だからである。
向こうは勿論私のことなんて知るわけないが、私はこの人のことをよく知っている。 私が尊敬し、愛したオンライン作家の一人だから。
かなり人気もあった話だから、オンラインで公開されているファンタジー小説を読む人なら知る人も多いと思う。 『カーマリー地方教会特務課の事件簿』(以下カーマリー)という話があった。
カーマリーは、私が「なんかオンライン小説で面白いのない?」と訊かれたら、「平原とカーマリー」と即答できるほど、完成度の高い、自信を持って人に薦められる小説だったと思う。 かなり長い小説だったから、一週間以上サイトに通って読み続けた。 それほど面白い小説だったのだ。
で、それを執筆した橘さんが今回、電撃大賞に応募して二次予選通過、最終選考には残らなかったが、こうしてデビューしていらっしゃる。 オンライン上のアマチュア時代を知っている(というか、一方的にファンをやっていた)こちらとしては、せっかくのデビュー作品ならば読まねばなるまいと思い、こうして読んだわけである。
で、どうだったかというと、やっぱり面白かった。カーマリーほどのめりこめる度数はないけれど。 文体は、電撃にしては骨太じゃなかろうかとカーマリーを読んでいた頃から思っていたが、やっぱり骨太だった。でもそこが好き。 難を言えば、あのイラストは…。いや、電撃だからしょうがないけれど。 カーマリーのイラストで萌えた私には、ちょっと瞳が大きすぎるかもしれません。
<簡単なあらすじ↓> 飛行機乗りを夢見る整備工トウジ。 ある日、彼は人の言葉を解する猫を拾った。 ほどなく、国境警備隊の隊長を名乗る男から、国境にきて整備工をしながら飛行機乗りを目指さないかという申し入れが来る。 あまりにうますぎる話にいぶかしさを感じはしたが、やはり夢に近づける道を閉ざすことはできなかった。 トウジは国境へ向かうが、その話の裏には、トウジが父親から譲り受けた『ある飛行機』の設計図が深く関わっていた…。
夢を追う冒険物は大好きだ。ラピュタとか。 話の起承転結のできもいいと思う。さすが橘さん。 でも、ちょっとトガのキャラ付けが唐突に感じたのは私だけかなぁ? ま、いっか。
次回作はこの話の続きになるんだろうか? 続きが出てほしいような、でも、これはこれで終わってしまってほしいような。 多分、続きを出しても失敗しないような話だとは思うけれど、願わくば、カーマリーを…。
今回、デビューするにあたり、橘さんはそのサイトを閉鎖された。 もうカーマリーが読めないよぅ…よんたさんのイラストが見れないよぅ…と涙を拭ったのは私だけではあるまい。 だから、いつかカーマリー地方教会特務課の面々が印字となり、出版業界に颯爽とデビューし、ジークや、オブザーや、アッシュ、リリィ、ブラウンたちと再会できることを祈っている。 あ、でも、今回のイラストはイヤ…。カーマリーはイラストももっと骨太であってほしいの。
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