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2005年02月24日(木) |
愛はあったかい(白い犬とワルツを) |
テリー・ケイ『白い犬とワルツを』読了。
以前、ドラマ化(映画化?)されたり、流行ってたね。 でもやっと今頃読む、天の邪鬼。
一人称と三人称、視点の切り替わりが曖昧な独特の文章。 それでいて、わかりやすい。 妻を亡くした老いた男の、不器用な愛。 でも、けっして、『鉄道員』の健さんみたいなのとは違う。 「彼」は堅物ではあるけれど、ウイットに富んでいる。
この物語は、あたたかく、愛にあふれている。 夫婦愛、家族愛、兄弟愛、友人愛、隣人愛…… 少々疎ましいこともあるけれど、でもやっぱり嬉しいものだ。
「死」は重たいものだけれど、 愛に包まれて、過ごした日々はとてもあたたかい。 そういう日々の末に迎える死は、恐ろしくないのかもしれない。 サムが妻の死を受け入れ、自分の死も静かに受け入れる様は、 美しくもあった。
白い犬が、歩行器に前足を乗せると、なんだか頬が緩んでしまう。 俺の犬だ。ってね。
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