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2005年01月04日(火) |
無知も、無視も、すべてが虚しい(闇の子供たち) |
今年最初の読了本は、梁 石日『闇の子供たち』。 年頭から暗い話。 実はあと1/3ということろで、ずっと放ってあったのだ。
タイを中心に、子供たちが虐待されているさまを描き出している。 虐待といっても日本で最近はやっているようなものではなく、 貧困、誘拐、人身売買、幼児売春、臓器売買・・・ 人間ではなく、モノとして扱われる、そんな有様。
そこには、もちろんそれを改めたいという人々もいる。 日本人もそこにいる。 けれど、その思いはあっけなく権力と暴力に粉砕されて虚しい。 なにより、日本で「普通に」生活していると、 まったく縁のないそれら恐ろしいことが、 けれどやっぱり世界にはあるのだ、ということを突きつけられ、 でもそれを知ったからといって、やはり何もできない、というのが虚しい。
スマトラ沖地震の津波で、大勢の子供たちが親を失った。 彼ら彼女らが、この闇の世界に飲み込まれていくかもしれない。 それを阻止することは、きっと難しい。
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