ぶらんこ
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第三者が主人公。 線が細くてどこか暗いイメージの女性。夫の横暴ぶりに離婚というよりも夫の元から逃げ出すことを計画している。
彼女はカルチャークラスに行くと言って出かけている。 逃亡するための荷物を取りに家へ戻ったら、夫が帰って来ていた。 彼女は怪しまれないように振る舞うのだが、夫は執拗に彼女のことを観察している。 (夫とおぼしき人物は、ずんぐりむっくりの中年。 彼はがまがえるのような風貌で、嫌な顔つきをしている。服装はぱっとしないスーツ)
どこかへ出かけるのか、と夫に訊かれ、ええ、ここへ行ってみようかと、と某パンフレットを見せながら答える彼女。 そこには、樹海の様子が映し出されていた。(この場面でわたしは、そんなことしたらバレてしまうのに!と、焦っている) 男は、パンフを手に取り、じっと眺めながら、ほぉ、なかなか良い場所じゃないか、と言っている。 それを見ながら彼女は静かに後ずさりをし、、、
いきなり樹海の中へとそのまま入って行った。
わたしは樹海の中側から彼女を見ている。彼女は樹海をどんどんと進む(つまりわたしの方へと進んでくる)。 樹々が深くなり、彼女の身体がやっと入るくらいだ。 外界の灯りが次第に遠くなり、彼女の夫が「おい!おい!!」と叫ぶ声も遠ざかり・・・ とうとう、樹海の深部へと入り込んだらしい。外界の様子はここからはもう何も見えない。 と、同時に、樹々の間隔も広くなり、彼女はほっと安堵しながら、その中を進む。
が、しばらすると、どうも何か巨大な建物のなかにいるような感覚に襲われる。 暗がりの中でよくよく見ると、太いパイプなどがある。 ふと、何かにぶつかった。と思ったら、彼女の頭よりも高い位置で誰かが動き・・・どうやらそれは浴槽のようだった。 誰かがお風呂に入っている?
彼女は息をのんで、じっと佇む。見つかったら夫のところへ戻されてしまうのではないか、と恐れている。
しかし、やはり見つかってしまう。 目が暗闇に慣れたのだろう、どうやらここにはもっと大勢の人がいるようだとわかる。
彼女はある女性に連れられ、更衣室へと案内された。 そこは巨大な施設になっていて、老弱男女、大勢の人達が暮らしている。 どのような団体なのかはわからないが、彼らは温厚で、彼女のことを暖かく迎えてくれている。 何かの基地なのかもしれない。よくわからない。
いつしか樹海に入ったことも、夫からの逃亡についても、彼女はあまり考えなくなってしまう。 そんなとき、新しい大勢の新参者とともに、彼女の娘もやってきた。 彼女は娘との再会に喜び(わたしはこのときまで彼女に娘がいることを知らなかった)、ここは安心できるところだから、と説明している。
・・・
富士樹海の中にそういう巨大な秘密基地があったなんて、、、と驚きながら、わたしは樹海の中を歩いている。 樹海の中へ入ると、そこは磁場が狂ってしまっているので迷って二度と外へは出られなくなるというが、 それは外界からも中の様子がまったくわかり得ない、ということなのだろうか、、と考えている。 現代の科学をもってしても、中でこのような施設があるということは隠されている?そんなことが可能なのか???
そんなとき、 「馬鹿野郎!おめぇがそんなことをしたら、すべてが狂ってしまうだろうが!」 と、腕を強く握られる。振り向くと、そこには犬夜叉が(!)
犬夜叉はいつもの赤い着物を着ていた。 かっこいいいいいいいいい、と惚れ惚れするわたし。
犬夜叉は、枝で地面に何やらシンボルのようなものを描きながら、 おめぇ、これでこの前のような地震が来たらどうするんだよ! と、もの凄い形相で怒っている。
地震・・・地震・・・地震・・・
地震があったっけか、、、と、考えるのだが、何も思い出せない。 ぼんやりと思い出せたのは、樹海での計画は、世界を救う鍵になるということだった。
しかし、犬夜叉に会えて、これでもうすべては安心、と、内心、非常に短絡的に喜んでいる。 そしてそれを表現してしまうのは、いくらなんでもこの場面では不謹慎だろう、と、努めて平静を装う。
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