ぶらんこ
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だいくまに怪獣が出た。 すっごいでかいやつ。 家とか壊されちゃって、山とかもどこどこ歩く。
わたしは清いこころでお祈りした。 「誰か、たすけて〜」
すると・・・ウルトラマン・タロウが現れた。 突如、どっかから、にゅぅっ!と伸びてきて。 タロウは怪獣をやっつけて去っていく。 嬉しい、ありがとう〜
これが初回。
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翌晩。
同じように、だいくまに怪獣が現れる。 わたしは辛うじて生き延びて(死んでる人なんていなかったが) また、お願いする。
「お願い。タロウ、また来てー!」
するとまたまたタロウがにゅぅっと伸びてきて 怪獣をやっつけて去って行く。
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三日目も同じような夢だった。 が、夢の中で「タロウを呼んでるのはわたし!」みたいな感覚が芽生える。 なぜなら、お願いしながら手紙を出していたから。しかも宛先なしだ。 その行動によって、タロウが来る。 という公式だ。
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翌晩。
「今夜もあの夢の続きを見れますように」と願って床に就く。 そして、案の定、続きの夢になった。
怪獣の猛攻がすごい。 だいくまの公民館までやられそうになる。 それでわたしは、公民館の近くにあった赤いポストに、 「タロウ、来て!」とだけ書いた手紙を封筒もなしで入れた。
すると、公民館前のバス停に林バスがやってきて、ぞろぞろと客が降りて来て、 いきなりタロウが にゅうっ! 怪獣はやられて、また林バスが来て、客が数人乗り、バスは行ってしまう。 不思議なのは、わたしはそれを見ながら、あの客の中にタロウに変身する誰かがいたんだ!と確信する。
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5日目。 かなり真剣に「続きを必ず見れますように」と祈って寝る。
ちゃんと怪獣はあらわれた。飽きもせず、だいくまに。 わたしはその中で、使命感に燃えて、逃げ惑う人々を誘導したりしていた。 でも、これまでと明らかに違ったのは、怪獣が出ても怖がらなかったことと、 「絶対に誰がタロウなのか、今日は見極めてやる!」という想いがあった。 だから、怪獣が出ても、自分はタロウを呼ぶ機会を与えられた、と喜んでいた。
同じように公民館前のポストまで行って手紙を出した。 林バスがすーっと入ってきて、どやどやと人が降り、またまたタロウが現れた。 どの人がタロウになったのかはわからなかった、その晩も。 けど、客の中に、ひとりだけ知ってる少年の姿があった。ドキドキ・・・!
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翌晩(これが最終回になってしまった)。
この時の怪獣はすごかった。 わたし自身、怪獣の下敷きになりかけた。 いつにない危機感とともに、ポケットから紙を取りだし、「来てー」とだけ書いた手紙を ・・・・・・空に向かって投げた、、、
というのも、 わたしが倒れていた場所はエイミィの近くで、ポストまでは持って行けなかったのだ。 また、エイミィと公民館の間は、怪獣の猛攻で綺麗さっぱりなくなっていたから、 だから・・・林バスが来るのもちゃんと見えた!
そして、この時。 わたしはしかっと見たのだ。
降りてきた客の中のひとりが、ぴっと片手を上げて、にゅうっとタロウになった。
怪獣はやられて、わたしは息からがらに生き延びた。 いつのまにかタロウはまた少年の姿に戻っていて、林バスに乗って去って行った。
わたしはその様子を見ながら、ああああああれがぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!! と、それはもう、感慨ぶかげに・・・見送ったのだった。
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この先、夢の続きはなかった。続きの夢はもう見ないだろう、とも思った。 きっちりと完結したのだ。
ちなみにその少年は転校生だった。 皆から密かに「ナポレオン」と呼ばれていた、ちょっと日本人離れしたよな、外人みたいな顔の少年。
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とっても懐かしい夢の話を見つけたのでこちらへ持って来た。 これまでに色んな人に何度も語られた「だいくまの怪獣」という連続夢。副題は・・「ナポレオン」かな〜。 確か小学校2年の終わりか3年の頃の夢だ。 タロウが登場したのは、長兄の家で見たウルトラマン・タロウが非常に衝撃的だったからだろう。 当時、島ではまだNHKしか放送されていなかったから、内地(鹿児島)の兄の家で見たミンポウ(民間放送)は楽しくて仕方なかった。 ウルトラマンの他に覚えているのはドリフターズ。 腹がよじれるほど、おしっこちびっちゃうくらい笑った。何がそんなに可笑しかったのか。
ナポレオンのことは好きだったのだろか? そんな記憶はないのだが(本当に!)、気にはなっていたのだろう。 小学校の2年〜3年は、学校での良い思い出がない。トーコーキョヒをしたのもこの時期だ。
いや、それ以降も、学校生活自体にあまり良い思い出はないな〜。 学校は好きじゃなかった。が、行かないという選択は出来なかった、特に2度のトーコーキョヒ後は。
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