プープーの罠
2008年12月08日(月)

お笑いが好き

仕事中にメールの着信があり、

近頃の私のケータイはもっぱら
TSUTAYAの半額のお知らせくらいしか来ない
のですが、

それは何と
八木君
だった。



去年の12月1日にINFOBAR2が出て
私はその日にケータイを替えた。
それでメアド変更の連絡をして
その返事が返ってきて、

それ以来、ほぼ一年ぶりの連絡。
正確にいうならば362日ぶり。



そろ
 そろ

と覗いてみると
『M−1のメンツが決まったよ。楽しみ』


何かデジャヴのような
気がしないでもない
んですけど
も。


返事のしようがない。




彼が私のことを好きだった時、私はお笑いが好きだった。
八木君が録画したM-1のビデオを一緒に観た。
その時はアンタッチャブルが敗者復活戦でのし上がってきた。
共有したお笑いはそれくらいだ。

彼の中で私はお笑いが好きなままだ。
彼の中でお笑いが好きな私は色褪せていないのだろうか。


アンタッチャブルの柴田のズボンが何か変なカタチだった。
「変なパンツだね」と言い
ながら観ていたのを覚えてる。
床に座って
手をつないで
親指で私の手の甲を撫でる八木君に
ドキドキしながら観ていたのを覚えてる。


M-1が始まると
八木君は私を思い出す。

それってどういうことなの。




2008年いっぱい、連絡が来なかったら今度こそ
ちゃんと忘れると決めたのに
八木君はずるい。


返事をしなければ
しないでずっと気になって
無駄に深く考えてしまう。
字間も
行間も
時空間も
すべてに意味を求め
読み解こうとしてしまう。

返事をしたらまたその返事を待ってしまう。

そしてまたきっと明日もあさっても
(今日もメール来るかな)
なんて待ってしまうんだ。


『もうメールしないで』


そう出せればどんなにいいだろう。
メールアドレスも電話番号も削除して
着信拒否できたら。


でも私にはまだそれが出来ない。
4年目の12月。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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