プープーの罠
2006年07月15日(土)

連休1

実家に帰るから

と、私は誘いを断わった。
その後ちょっと電話で話し、
「日曜の夜には帰ってくるつもりだけど」
と付け足したけれど、月曜に会おうとは言って来なかった。
「まぁ、ちょこちょこ連絡します」
と言っていたが、それも信じられはしない。

帰った日の夜にちょうど
父の友人の退職祝いな飲み会があり、
年末の忘年会もそうだったので私は辞退したかったのだが
案の定、結婚はまだか の嵐。

両親は何となく気を遣ってくれてるのか
はたまた人間関係に気難しく一度もそれ
らしき人影を感じさせない娘にその手の話題はタブー
だと思っているのか、普段触れないでいるが
一方、他人はおかまいなしでつっこんでくる。
ちょうどゲストの一人娘に孫が生まれたばかりで
ますますもってその話題に集中し。

いやしかしあなた背が高いわよね。
旦那さんになる人はよほど大きくないと。

いえいえ私の彼は私より10cmも背が低いんですよ。

なんて切り返したかったが
そこから掘り下げられてもイイ話はまず出てこないし
こっちもすっかり忘れ去った頃に
 ねぇ、かのカレは近頃どう?
なんて言われるのも虚しい。

お開き
と言って一本締なんかもしちゃっても
名残惜しそうになかなか解散しないので
私は黙って先に一人家路につく。
愛想笑いには限界がある。
むしろそんな余裕がなくなっていた。

不意に溢れるマイナスの感情
主には悔しさ
で、堪え切れずに泣き出せば
窓辺に寝そべった猫が煩わしそうにただ
じぃっとこっちを見ていた。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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