プープーの罠
2004年07月05日(月)

時計仕掛けのオレンジ

9日間の夏休みを終えて
私はまた働きはじめる。

体制変更で制作部が二つに分離し
企画コンサルティング室と
開発デザイン室となるらしい。

とはいえ、それぞれの持っている仕事があるので
急にピタリと変わるのは現実的にムリであり
徐々に、という話ではあった
けれど、多分うまくいかないであろう。

私はデザイナーとして雇われながら
企画に配置され、
今まで私がやっていた制作部長の座
には つじさん がついた。
つじさんは開発である。
つじさんも仕事ができる人
ではあるけれど
デザイナーが仕切った方が円滑に行く
のは、目に見えたことなのに
つじさんなのである。
技術職の人間を
専 門 分 野 以 外 に配置する。

私がこの会社に来てから
これで3回目の体制変更である。
1ヶ月に1度は変えている案配。
結果が出ないうちに
「この体制は失敗だった」
と、また変更する。
みんなが
新しい体制に順応しよう
としている途中に
また変更があるのだ。

くわえて人事の入れ代わりが激しい。
働いてるスタッフですら
常に体制が固まっていないあやふやな状態に
右も左も分からない人が入ってきても
みんなで右往左往するだけ。

先週から新しく入ったという人は
意外なことに正社員だった。
前はバイトがやっていた雑務である。
今日から入った人は派遣だ。
人手が足りなくてできなかった仕事とはいえ、
サルでもできるような仕事である。
即戦力ではなく、 猫 の 手 を派遣でまかない、
森君はじめ技術職をバイトで雇い
正社員のようにノルマと成果を求めるのだ。
技術職をなんだと思っているのだろう。


そして、確かに何かが変わっていた。
みんながみんな、それぞれがそれぞれに
何だかぴりぴりしている。

姿をそのままにして
中身がすっかり別のものに
入れ替わってしまった
かのように。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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