小ネタ日記ex

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サンダーバードと夏(笛/武蔵森)(パラレル)。
2004年08月22日(日)

 災害事態から人々を助ける国際救助隊。その名をサンダーバードと呼ぶ。








 西暦2010年、その救助隊の歴史が始まった。
 科学者にして宇宙飛行士の資格を持ち、その天才的頭脳によって生み出された発明によって一躍世界に名だたる大富豪家となった渋沢克朗は、これまでの人生で培ったすべてを用いて、一つの組織を作り上げた。
 国際救助隊、サンダーバード。
 地球上のどこであろうと、人的災害や自然災害によって被害を被った人々を救う。それがサンダーバードの基本マニュアルである。海の底であろうと空の果てであろうと、被害に遭った人々を救うためにハイテクノロジー技術と勇気を携えて彼らは参上する。
 創立者であり現キャプテンである渋沢克朗を中心に、彼の信頼すべき仲間たちで構成されたサンダーバード。
 設立から十年近い歳月が過ぎ、世は彼らを現代のヒーローと呼んでいた。






「たっくっみっ!」
「!!!!!」

 突然背後から背中を抱きしめられ、笠井竹巳は慌ててキーボードを打つ手を止めた。振り返るなり、怒鳴る。

「藤代! 調整中はあれほどいきなり驚かすなって―――
「コレ!」

 いきりたったオペレーター兼科学部助手の反応など全く気にせず、サンダーバードの見習いパイロットは笑顔で新聞の一面を掲げてみせた。

「…現代のヒーローまたもお見事。倒壊寸前ビルから少女救出」
「そ! 俺の大活躍で!」
「ギリギリでね」

 ほんの半日前の出来事を誇らしげに胸を張った藤代に、機器の調整も役目とする笠井は辛辣な現実を突きつけた。肩に乗せてきた手を払いながら、椅子に座り直し画面と向き合う。

「風速考えないで超高層ビルに接近なんかして。下手したらあのままビルと接触して一緒に倒壊だよ」
「そ、そりゃそうだったかもしれないけど」
「三上先輩に何て言われたっけ?」

 冷酷な笠井の尋ねに、藤代は英国新聞を握って言葉に詰まった。言いたくない。そんな顔だった。

「お前にはまだ早すぎんだボケ! …だったか?」

 そこに、別人の声が割り込んだ。前半は本来の発言者そのものの口調だったが、後半は一転して和らいだ微苦笑が混じっている。

「キャプテン! ひどいっすー」
「渋沢キャプテン、お疲れ様です。サミットの見学はいかがでした?」

 ただ振り返り不平を漏らした藤代より、椅子ごと向き直り会釈した笠井のほうがもう少し如才がない。
 仕立ての良いスーツのまま、サンダーバードを作り上げた青年はかすかに疲れた笑みを浮かべた。

「うちが議題に上がるかもしれないからと行ってきたが、案の定、サンダーバードにどこまでの権限を与えるかで揉めたな。結果的には、これまで通り各国が収めきれない事態のみそれぞれで決議された内容に基づいて出動依頼が来て、初めて出動となる。今までと同じだ」
「そうですか」
「それってつまり、たとえ通りすがりでも依頼が来てなければ無視しろってことでしょ? なんか俺ヤだなー」

 オペレーションルームに数多く並んだモニターには、世界各国の主要地の映像が人工衛星と擬似宇宙ステーションにもなっているサンダーバード五号を通じて二十四時間送られて来ている。有事ともなれば、まずここに各国首脳からの出動要請が届くことになっていた。
 両腕を頭の後ろで組み、顔をしかめた藤代に渋沢はたしなめる口調を作った。

「国をまたぐ以上、権限をどこまで認めるかは必ず問題になるんだ。どこの国でも好き勝手に出動して助けていたら、困る国もあるってことだな」
「でも、サンダーバードはどの国にも侍らない。戦争には絶対関わらない。そうでしょう?」

 隊長の皮肉げな口調によって先を読んだ笠井が、笑いながら言った。
 渋沢は口端を上げて笑む。不敵にして頑固、両者が絶妙に揃った笑みだった。

「当然だ」

 助けるため、救うために、彼は国際救助隊という名をつけた。その意志に背くことだけは決してしない。
 政治不干渉を貫き、あくまでも人道に則った救助活動をすることによって、サンダーバードは各国に中立の立場を維持している。隊員の出自によって懇意にする団体はあっても、決して馴れ合いの関係にはならないよう渋沢は細心の注意を払っていた。

「…でもですね、なにげなく独立採算もきつくなってきたんですけど」
「え、俺ら減給!?」
「ああ、大丈夫だ。来月また特許分が入るから。いつもの口座に振り込まれるはずだから、間宮に言っておかないとな」

 救助隊における事務官の名を渋沢は呟く。笠井はしみじみと、この現代のヒーローにおける財政難を個人資産で一手に賄う隊長の苦労を思いやった。
 先進国などからの寄付や、救助先の国から必要経費を請求する方法もないわけではないが、金銭の繋がりで義理を作るのは中立団体として避けたかった。まして出動に金銭を要求すれば、後進国や財政に余裕のない国はサンダーバード出動をためらい被災者はそれだけ生命が危険な時間が延びてしまう。
 世の人々はまさか、来月の運営費をどこでやりくりするかで話し合う正義のヒーローがいることなど、全く考えていないだろう。
 就職先を間違えたとは一度も思ったことのない笠井だったが、高邁な理想のために言葉通り私財を投じる隊長には、もう少し欲を出して欲しいものだとも思う。

「心配するな。サンダーバードを廃業させることは絶対にないから」

 だんだん中小企業の社長みたいな発言になってきた。
 頼もしく言った渋沢に藤代が憧れの視線を向けていたが、笠井は貧乏ヒーローはちょっと嫌だな、と素直にそう思った。


『司令部、ナンバー02三上だ。おい、いるか?』


 右端の通信装置のランプが点滅すると同時に、笠井のインカムに不遜な声で呼びかけがされた。
 即座に笠井は右手を伸ばし通信をオンにすると、手動でオペーレーションルーム全体に聞こえるよう設定し直す。

「ナンバー04、笠井です。どうぞ」
『イギリス、ロンドン地区で橋脚落下事故だ。まだ首相からの連絡は入っていないが出動要請が出される可能性がある。渋沢に繋げ』
「ここにいる。三上、今どこにいる?」

 渋沢が通信装置の前で直接三上の報告を受けている間に、笠井は藤代を見やった。

「竹巳、調整すぐ終わるよな」
「終わらせる。先行ってて」
「了解!」

 本来サンダーバードに敬礼はない。しかし、持ち前の陽気さを明るい高揚に変えた藤代はおどけた軽い敬礼をすると、格納庫へ向かって走り出した。

「じゃあお前が戻るまではまだかかるんだな?」
『どんだけ急いでも一時間だ。藤代いるよな?』
「ああ、一号機は藤代に出させる。お前は戻り次第二号機で向かって欲しい。笠井、全員に通達、パイロットは全員司令部に召集、カタパルト付近の人員退避、要請と同時に発令する」

 指示を出しながら渋沢はスーツの上着を脱ぎ、軽くネクタイをゆるめ前髪を後ろに撫で付けた。
 緊張感にきらめく二つの琥珀。基地すべてに聞こえる通信音声装置に向かって、司令官は言った。


「サンダーバード、出動準備!!」









************************
 18日の水曜日に友人カンザキさんと実写版サンダーバードを観に行ってきました。
 初体験の私と違い、カンザキさんは生粋のサンダーバード好きです。なので今回いろいろと事前にお話を伺いました(かしこまって言ってみる)。

 実写版、格好いいなぁ、と思いました。
 キャラが、というよりもむしろメカが。一号が一番すき。
 ハイテクを操って人々を救う。超人的に変身するとか魔法を使うとかよりも、現実味があって面白かったです。私はもともとヒーローもの好きです。
 ジェフパパとペネロープさんが素敵でした。
 一本筋な展開はヒーローものの基本でありわかりやすくてよし。

 観たのは字幕版なので、V6の声優っぷりは見れなかったのですが、EDの曲がこれでないのはよかったと思いました。やっぱ英語のほうがかっこいい。
 V6版はまたそのうち余裕があれば一人で観に行くか、ビデオになるのを待とうと思います。

 吹き替え版は個人的おすすめ。雷鳥初体験の私にも理解出来た内容でした。事前に色んな雷鳥サイトで勉強もしてみましたが。
 本当に映画の感想は、メカ! メカ素敵! サンダーバードかっこいい!! …みたいな。私も入隊したい国際救助隊。

 で、その波に乗ってサンダーバードパラレルで森。
 当然パイロットたちは一軍の面々で。中西とか近藤とか名前を出すゆとりはありませんでした。
 メカアクション書くのめんどくさいわ、ということでオペレーターサイドの一幕。サンダーバードってどこから経費捻出してるのさ、という疑問が私の中にあったようです。全部トレーシーさんちの個人資産?
 捏造入ってますので、本家雷鳥さんとこの設定とはおそらく違うと思います。

 ところでweb拍手の設定を変えたいのですがサーバーが重くてうまく変えられません。
 混み合う時間はダメなのかしら?

 ところでサンダーバードってなんでその名前なのかしら。
 雷の鳥? いかづちのとり? 面倒だから雷鳥と書くよ私は。

 そして北海道の駒大苫小牧、優勝おめでとうございます。
 そうよね、だって横浜を負かしたところだものね…! 勝ってもらわないと神奈川の意地ってもんが…!! と実に理不尽な期待をかけたうちのきょうだい。おめでとうございます。優勝校に負けたとなるとちょっと救いが(欺瞞という言葉を知ってるか)。
 浜っ子は道産子に負けたんだね! と友人に言われたとき、確かにそうだが妙に新鮮な表現をされたと思いました。
 っていうか自分がしみじみ甲子園球児たちの歳を追い越した現実が複雑ですよ。とうとう箱根駅伝まで年下に。そんなものよね、ええ。
 いつまでも十九歳ぐらいでいたいよね(何年前の話をしてる気か)。




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