うわの空日記


ワルシャワに暮らす主婦ゲラッチの日常です。

2005年02月23日(水) そんな法律

先日ライブ中に知り合った南ア人に聞いた話。
実は高校時代のルームメイト、ゲラ夫と私のキューピッド役(自分で言っててやだな)のカシャも同じような体験をしたんだけど。

ポーの法律では、住民登録をする際にその住居の持ち主の許可が必要。
大家さんなり親なり、その家の持ち主と一緒に市役所で住民登録をする。
で、住民登録を済ませた住民は基本的にその住居に住む権利があるんですよ。

その家の持ち主と住民の間に契約書があれば、住民が家賃滞納してた場合大家が店子を追い出す事は可能だけど、契約書が無ければ無理。
そう、住む権利と支払いの義務は別問題なの。

例えば地方の親戚の子が6年間大学に通うから、とかで下宿させて「住民票が向こうにあるといろいろ面倒だから〜」とか言って住民登録しちゃったらもうアウト。家の持ち主は法的にその子を追い出せない。
物理的に追い出す事はできても裁判では確実に負ける。

で、南ア人とカシャはその悲しい大家さんなわけで。
2人とも親戚の家を相続したんだけど・・・。
既に人が住んでる。契約書はどこにあるかわからず。というか、多分無い。
人が住んでる限り、自分の所有物なのにその家が売れない。貸せない。

しかもポーには人が住んでる限り(住民登録してある限り)電気、水道などは持ち主が提供する義務なんてのもある。
料金滞納で水道止められた場合、店子は大家を訴える事ができるわけ。

なので2人とも家賃は取れず、物件を売りにも賃貸にも出せず、税金は払い続け、しかも水道、電気、ガスまで提供しなきゃいけない。

更にカシャの場合、店子が消防法に違反の暖炉&煙突を勝手に作っちゃって、その罰金まで徴収される始末。ええ、全ての責任は家屋の持ち主にありますから。

すげ〜! なんて理不尽なんだー!
カシャの店子は更に「今までこの家を管理してきたんだから、管理費&維持費を払え」なんつってカシャを訴えたりもしてるし。(結局示談になった。)
最終的にカシャはどっかのNGOにこの家を寄付して、少なくとも税金&ガス、水道代からは逃れたんだけど。
(ちなみにそのNGOにはそっち方面の「知り合い」が居て、店子はその後さっさと引っ越したらしい。)

南ア人はもう5年も裁判やってるらしいけど。どうなる事やら。

フランスにも似たような法律があるって聞いたことあるけど、資産家は大変だなぁ。


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