今がいい
半年ほど前に、更新が止まった日記を読んでいた。
読みながら、登場人物の男性に腹を立てる。
そして彼に、こんなひどい男性がいるんだと話す。
 本当にひどいヤツだな。どうして付き合ってるんだろね。

本当にどうしてなんだろうね。
読み手はみな同じ感想を持ち、もどかしさと苛立たしさと
これからどうなるんだろうと期待する。
直接メールを出して、意見する人もいたらしい。

本当にどうして別れないんだろうね。と彼に言ってみた。
本人がいちばんよくわかっているはずなのに。
それは以前の私に寄せられた言葉だったから。
自分のしたことを忘れていない彼は、ひどいことしてたよねと。

前は、よくこれだけ次から次に起こるものだと、我ながら感心し
読み手にすれば、もしかしたら創作ではないのと思っても仕方ない
ほどいろいろあった。
書かないと気が済まなかった。
ぶちまける相手を、不特定多数の見知らぬ人にして、
彼には言わないまま過ごした。
日記に書くことで自分を見つめなおし、彼に言うのと同様の慰めを
他からもらっていた。
彼に直接言わないので、私の気持ちが、彼に伝わらなかったのは
当然だった。

改めて思うのは、周囲がどれほど熱心に忠告しても
理不尽だと気づいていても、ひどい目にあっていると知っていても
自分が納得しない限り、現状維持だということ。

今、彼とのことだけを書かなくなり、書いたとしても
詳細ではないのは、彼に直接話すようになったから。
解決や理解を他に求めるのではなく、当事者である私たちの間で
話し合えるようになったから。

別れや嫌われることを恐れて何も言えず、飲み込んでばかりいると
次へは進めない。
相手の心に伝わる言葉を選び、話すことは難しいけれど。

Sちゃんから、質問をされた。
彼に連絡するのに、メールと電話どちらがいいでしょうか?
どっちでもお好きなほうでどうぞ。とまずは言ってみた。
声を聞きたくないの?とこちらから質問した。
聞きたいですとSちゃん。
じゃあ答えは簡単でしょう。
自分はどうしたいか気づくための、ほんの少しのお手伝い。

こんなことを言ったら、嫌われてしまうんじゃないか。
こんなことをすると、離れてしまうんじゃないか。
私と彼は、こんな段階を通り過ぎた。
懐かしい初々しさはなくなったけれど、今がいい。

2005年08月23日(火)

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