変らない想い


彼とする話の中で、度々出る話題は
東京と大阪と、これからどちらで暮らすか。
いつもは軽く話していた。
仕事量の多さ、住まいの環境、経済的なこと
話すたびに気になったまま言い出せなかったのは
以前のようなことにならないか。

人の気持ちは変っていく。
最初に決めたことが、年月が経つと
周囲の状況も影響して、予想しなかった結末に。
以前は、仕方ないことだと諦めようとした。
頭で割り切ったつもりでいて、感情はついていかなかった。
心を追いつかせようとして無理が生じ
心身ともに追い詰められ、自分自身を追い詰めた。

今夜、今まで言い出せなかった不安を彼に伝えた。
 もし、以前のようになったら、
 仕方ないと思わずに、すぐに別れようと思う。
 あの時は苦しかった。
 だから、別れたあと、完全に連絡も取れなくする。

 決して同じことを繰り返さない。
 だから慎重に確実に行動しようと決めてるよ。
 俺は学習能力のないヤツにはならない。
 全部踏まえたうえで、どちらで暮らそうかって
 聞いてるんだよ。

彼と知り合ってから、ずいぶん経つけれど
彼の声を聞くと、胸が熱くなり、彼に逢えると思うだけで
眠れなくなるほど気持ちが昂ぶる。
苦しみをねじ伏せるほどの思いは、あの頃の私を
おかしくさせたけれど、不安がなくなった今も
彼に対する愛おしさ、恋しさは変らないまま。
  


2005年05月20日(金)

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