白い月
ここに来て、もうすぐ5ヶ月。
前の5ヶ月と比べてみた。
同じ5ヶ月でも、季節と場所が違う。
6月から11月まで。
3月から8月まで。
季節も違うけど、以前の5ヶ月は穏やかに過ごせる日が
少なかった。
知らない人に囲まれて、必死になって、突っ張ってた。
今は君しかいない。
仕事中に眠いと言えるし、寝てしまえる。
初めて電話で話しているのを聞いた。
声が漏れて聞こえてくる。
彼のときは、嫉妬でおかしくなりそうだった。
今の私は、気になりながら、波立たない。
以前なら、こんなとき、黙って態度で表す不快感や
わざとらしい無関心。
今回は、思い切って尋ねた。
少し口篭もったように感じたのは気のせいかな。
相手を表す言葉を捜しながらだったから。
どんな用件でかけてきたかも聞いた。
私なら簡単にできることだった。
住んでる世界の違う人。
『パーソナルコンピュータ』というものを
どこかで眺めたことはあっても、触ったことのない人。
聞けば聞くほど腹が立ったのは、彼の相手だったけど
今の私は、無関心でいられる。
彼に対する情熱や、浅ましさや、激しさを
今は持っていない。
相手が違うと、こうなるのかと思う。
私が抱いている感情の大きさが違うのか
少しは学習したのか。
白い月が出ている。
月明かりはどこだろう。
空を見上げて、遠くを見渡して、思い出した。
月明かりは照らすもので、見上げてあるのは月だよ。
私は、まだ月明かりを知らないままだ。
2004年07月27日(火)
≪
≫
初日
最新
Copyright(C)2004- you All Right Reserved.