Wings of Times〜時のつばさ〜
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2005年08月12日(金)  
鶺鴒東京残酷物語

つばさ達はサポートそのものは休業にしましたが、仕事を見直すために休みにはせず出勤する事にしていました。
彼女は田舎の同窓会で朝早く出たので、結局みはえるを葬ったのはお姉ちゃんだったそうです。

代を少なくペットを飼った人は、可愛がっていたペットが死ぬと辛くて次を飼いたがらない人が多く居ますが、それはきっと忘れたくなくて飼わないのでもあろうと思います。
つばさは、平成に移るちょっと前から何匹もの猫を飼っては失っているので、仕方ないものは仕方なく、可愛がれるものは可愛がる主義で、死んだら次と思えるタイプです。

でも、何匹買おうが、何十匹買おうが、忘れた猫は一匹も居ません。
家を出てから実家に居た猫は区別がつかないので無理ですが、自分が居た時に可愛がっていた猫に関しては一匹も忘れていません。

みはえるを忘れる事も無いでしょう。

でも、次を飼うかどうかを決めるのは、つばさではないので。

みはえるの居ない家は静かです。
当たり前にカラカラ一日中、一晩中回っていた車輪の音はもうせず、それでも穏やかな時間が過ぎます。
音がしないのに、特に寂しくも無く、みはえるが居るとも居ないとも、それさえ気にならず、みはえるを失った悲しみはほとんどありません。
お姉ちゃんも様子は変わりませんし、彼女に至っては家に居ないし、同窓会ですからそんな事考えもしない懐かしい時間を過ごしているでしょう。

でも、時々「ああそう言えば車輪の音がしてないなあ」と気が付きます。
葬送に立ち会っていないので、思い出すのは生きてるのと同じ亡き骸のみはえるの半眼が、さすがに乾いて、触ると眼球に皺が寄って驚いた事とか、どんどん骸に変化していく様だけで、足の指を噛まれた事と、フローリングを歩き回っているところに近づくと、「ほえ?何?」と全然警戒せずにつばさを見上げて直立していた、そんな姿です。
でも、それが思い出だとしても、何も悲しくなく、嬉しくさえ思い出します。

なんでもなく、失われた初日は過ぎて行きました。
でも、お姉ちゃんは寂しいでしょう。
つばさと彼女がつるんで遅かったりする事が多いので、寂しくて飼って来たペットです。
連絡無しで遅くなると、思いやってもらえない寂しさを泣きながら一緒に過ごしてきたみはえるです。
つばさはお姉ちゃんがやたらにみはえるに話し掛けている時は、この家で独りぼっちだと感じている時だと思っていました。
置いてきぼりの文句は言わない人です。
それを良い事に彼女は全然メールしなかったりするので、何度か叱った事もあります。

さて。
大阪からネット友達の鶺鴒が遊びに来ました。
泊めてもらえる予定の友人が急に「今日は無理」と言って来たので、路頭に迷っているそうで。
残業であんまり頭を働かせられなかったつばさは会社の近くで待たせたりしました。
散々待たせて、会社から、何を思ったか歩かせました。
何だか頭がおかしいつばさです。自転車を持って帰りたいばっかりに客に対して阿保です。
一緒に来た他の連中はカラオケで夜を明かす予定だそうです。
秋葉原のオタク臭に当てられた鶺鴒はそれは我慢できなかったそうで。
そもそもかなり体調が悪かったようですが、全然つばさ、それに気づいていなくて。
腰が痛いと言い出すので、それも疲れてるのかと思って居て。
ヘルニアとか言い出したのは、もう品川駅の近くでした。

我が家に着いたらもう寝るしかない状態だったのですが、お姉ちゃんが苦笑しながら。
「つばさ、この子熱出てるよ。熱射病じゃないの?」
と言います。

うわあ〜〜〜。ごめんなさいいいいいい。

田舎から電話してきた彼女にもめっちゃ「あほでしょ、馬鹿じゃないの?」と叱られました。

取り敢えず、お客様用の低反発マットに敷布を敷いて転がしときました。

エアコンは好きに使っていいからね。良くなったら明日の花火に行きましょう。
それでも、暑くて寝られなかったようですね( ̄∇ ̄)。
ええ、客をもてなすのは苦手ですが、何か?


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