幽玄に沈む庭 |
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2003年08月11日(月) |
---碧のタマシイ 其の黒づくめがにっこりと微笑む 何も反応出来ずに固まっていると 「其れ」は床に這いつくばって 猫のような仕草で 床に落ちたままだった…血を舐めた。 ゾクリと何かが背中を走る 奴は頭だけ挙げてこちらを見た 薄く笑った唇の間から小さな牙が覗いていた 必死で脳内を検索すれど 言葉は私の手から零れ落ちる 「怖がらなくていいんだよ」 優しい声 でも恐怖では無くて 自分のテリトリーの外に迷い出てしまった猫のような心境 ここは外の世界ではないのに・・・ 「・・・血が欲しいの?」 とりあえず出た言葉は其れだけ。 でも其の言葉を聞いて奴はにっこり笑って 「そう。空を飛んでいたらとても良い匂いがしたから」 言いながらまだ血が止まらないこの腕を持ち上げる 案外傷口は深かったらしい。 奴は言葉を重ねる。 「最近はよく街から血の匂いがするけど、あまり好きじゃないんだ」 可愛らしい顔をしながらも物騒なことを言う、と思う。 「・・・・・・病んだタマシイの匂いだから。美味しくないんだ」 そう言いながら傷口に口を寄せて。 生暖かい感触 舌であろう触手のような感じのするものが血を舐め取っているのが分かる 不思議だとは思ったが あまり嫌な感じはしなかった。 むしろ痛い筈の傷口から心地よい感覚がする 「・・・貴方の魂は綺麗だよ。」 口を腕から離して言う。 チロリとまた牙が覗く 唇が離れた腕は まっさらだった。 傷の一つも残っていない 「そう、色で喩えるならば碧色・・・・・・」 奴はうっとりと微笑んでくるが・・・・・ このタマシイは綺麗なんかじゃない 病んで もう手遅れなんだ 現に今だって 自分を傷付けていい気になっていたじゃないか そんな感情が顔に出たのかは知らない でも、奴は見透かしたようにまた小さく笑うと 「貴方のタマシイは綺麗だよ。この僕が言うから間違い無い」 勢いをつけて立ち上がり、窓に向かう 「言っておくけど、僕は悪魔なんかじゃないよ。僕は・・・」 後の言葉はよく聞き取れなかった 言葉と共に其の体はふわりと浮かんだから 見るのに一生懸命で 軽く振り向いてウインクを寄越すと 其れは何処かへ風のように去って行ってしまった 其の間、 ぺたりと床に座りこんだ姿勢のまま 何も出来ずにいた ようやく我に返る 立ち上がって窓から外の景色を見る 其処には当然の如く 黒い影は居なかったけれど 夜が白みかけて 遠くから僅かな光が見えた あの晩の出来事が何だったかは よく分からない しかし、一つ言えることは 「また、良い香りがしてるよ」 私の心が病むたびに 私が己を傷つけたくなり 夜闇の孤独に怯えている時 其れは 空を渡ってやってくる。 会話らしきものも生まれ、名前を聞いた 「・・・ISRA」 ISRA 〈Arabic〉 Means "nocturnal journey" (Behind The Name) 「僕は悪魔なんかじゃないよ。僕は・・・・・・通りすがりのさ迷い人さ」 ---時にはコケティッシュに 頭の中に浮かんでいた物語が 薄れそうだったので ここに書きとめておいた ・・・時間かかり過ぎ 4回に分けることも無かったと今更思ったり。 最後の方はかなり苦しかったし ていうかこんなオチにして良かったのかどうか 微妙に破綻してるところもあったし(しくしく) ホントはあの黒尽くめの吸血少年は「君はペット」状態で居候する予定だったのに〜(←読んでません) 吸血鬼かオマエ。 微笑んでばっかじゃん、他のこともしろっつーの。 お耽美小説が何時の間にかやけに引っ張りの多くて読みにくい ・・・散文詩になってるんだぁ〜(絶叫) もう書かないぞ♪ と言うわけで、今宵は後書き代わりに 物凄く珍しい私の語り日記をば。 |
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