幽玄に沈む庭
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2003年08月06日(水)
紅い雫

何故かと言われると

蒼い光のせいだとしか言いようが無い

多分、そうなのだろう。

自分でもよく分からないけれど


デスクの上の文具立てからカッターナイフを引き抜く。

刃物と一口に言っても

刃の形、厚さは様々だ

この部屋の中にも刃物は何種類かある。

包丁、果物ナイフ、彫刻刀、ペーパーナイフ・・・

そして、カッターナイフ。


今は、このカッターナイフの薄みと

ごく先端だけキラリと光る直線的な刃

其れが相応しく思われた。




腕の真ん中あたりに

刃を当てる。

まっさらな腕。

東洋人らしく機目の細かい肌をしている

月の光に青白く光って中ほどでは妖しげな光が在る。



一つ息をつくと

一気に引き降ろす


一瞬、ピンク色の生々しい肉が見えた

そして、血が滲む

滲んで、溢れて

床に落ちていく




始まるともう其れはとめど無くて

腕の痛みはほとんど気にならない

蒼い光に落ちる紅に魅せられて


ほとんど、何もせずに放心していた。












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