晴れのち曇り。山里では雷が鳴り少しだけ雨が降った。
日照り続きの大地には焼け石に水のようなもの。
長期予報ではしばらくまとまった雨は降りそうにない。
かと云って台風に来られたら困る。人間は身勝手な者だ。
朝の道のねむの木の花を愛で峠道を越えると
民家の庭先に鳳仙花が可愛らしく咲いていた。
これも暑さに強い花で何とも逞しい。
種が弾けると聞いたことがあるがこぼれ種となり
毎年花を咲かせるのだろう。楽しみな花である。

工場の仕事は同僚が通院のため午前中は開店休業であった。
義父も田んぼに行く準備をしておりそわそわと忙しない。
事務所には支払いのお客さんが来てくれて
義父の農業仲間なのでしばらく話し込んでいた。
やはり誰もが失望を隠せず嘆くばかりである。
「やらなあいかんぞ」互いに励まし合っていた。
9時になり農協へ。今日は高額の引き落としがあり
預金が足りるのだろうかとはらはらしていたが
思いがけずに振込入金が2件もあり大助かりである。
とにかくその日暮らしの会社なのでいつゼロになるやら分からない。
それに今日は凌げてもじりじりと月末が近づいている。
取り引き先への支払いもありまるで綱渡りをしているようだ。
それもスリルがあって面白いと張り合いを感じている私であった。
午後には同僚が出勤して来てくれて工場も活気に満ちて来る。
消防車の点検の後はすぐさま車検整備であった。
同僚には苦労を掛けるが頑張って貰うしかない。
義父はお昼過ぎに一度帰って来たがまた田んぼに出掛けて行った。
曇り空となり猛暑が和らぎ何よりに思う。
後で知ったのだが江川崎では39℃を超えていたそうだ。
大分県の日田市では観測史上初の40℃と危険な酷暑である。
暑さには慣れている義父であっても熱中症が心配でならない。
「死んだらその時よや」とあっけらかんとしている義父であった。
同僚に声を掛けて定時で退社する。
カーブスが楽しみでならず心が弾んでいた。
いつものメンバーが揃っていて手を振り合っていると
Y子さんが「選挙運動みたいなね」と云って大笑いになった。
みんな朗らかで楽しい人ばかりである。
明日もきっと来ようと決めてサニーマートに向かった。
S子さんと一緒になって「何のおかずにしようかね」と頭を悩ます。
昨夜は贅沢をしたので今夜は質素にしようと決めていた。
お財布も寂しいのでしばらくは節約をしなければならない。
4時半に帰宅。夫はまるで気が抜けたように過ごしていた。
昼食にと買い求めていた焼きそばが不味かったそうだ。
もう後の祭りだが好物のところ天にすれば良かった。
自室にエアコンを点けSNSを開いたら
トレンドに「東野圭吾」が出ていたので新作が出たのかと思う。
閲覧して衝撃が走った。何と23日に亡くなったのだそうだ。
大ファンであり彼の作品は全部読み尽くしている。
映画化された作品も多く特に「秘密」と「手紙」が好きだった。
同年代でもありまだまだこれからの活躍を期待していただけに
ショックが大きく呆然とするばかりである。
大腸がんは初期ならば完治する癌であるが
おそらく多忙な日々が続き手遅れになってしまったのだろう。
何とも残念でならず惜しまれてならなかった。
冥福を祈ると共に彼の作品がこの世に残り続けることを願って止まない。
ひとはやはり死ぬのだ。どうしようもなく死んでしまうのだ。
※以下今朝の詩
農夫
稲穂が黄金色になり 稲刈りが近づいている
八十路の農夫は準備に追われ 炎天下も厭わずに田に赴く
「猪にやられた」と嘆く日 退治しようと躍起になった 一匹や二匹ではあるまい 気が遠くなりそうだった
稲刈りを諦めた農家もある いくらお米が沢山穫れても 米問屋には昨年のお米が在り 倉庫に入り切らないのだそうだ 国が備蓄米を放出したせいらしい
米の価格は昨年の半値を切り 皮算用も虚しくなるばかりである それでも農夫は諦めようとしない 「捨てる訳には行かんぞ」と 躍起になろうと自らを押し続ける
種を蒔いた日そうして芽が出た日 高価な農薬を買い世話を惜しまなかった どれほど丹精込めて育てたことだろう
「骨折り損のくたびれ儲け」 米は作るほど赤字になって行く
苦労は報われなければならない 誰もがそう願っている
猛暑続きの日々である 農夫は今日も田に赴こうとしていた
|