昨夜は音も聞こえなかった雨が本降りとなる。
穀物には恵みの雨となったことだろう。
気温は20℃に届かず少し肌寒い一日だった。
先日から殺風景な事務所に椿の花を活けてあったのだが
一輪が落ちると明くる日にはもう一輪が落ちる。
それでは蕾をと今にも咲きそうな蕾を選び活けていたのだった。
今朝は開いているかもしれないと楽しみに出社したのだが
まるで誰かに千切られたように床に転がっていた。
どうして活けてしまったのかと悔やまれる。
自然のままでそっとしておいてやればきっと咲いたことだろう。
母が若い頃に植えていた椿の木である。
手折ったことを母に咎められているように感じたのだった。

雨のせいで今朝も義父が待機してくれていて助かる。
雨でも作業が出来るキャビン付きのトラクターがあるのだが
今日はキャビン無しの古いトラクターを使うのだそうだ。
訊けば田螺が異常発生しているとのこと。
素人には分らない事だが田螺を他の田んぼに運んで行くらしい。
被害は最小限に留めなければならずトラクターを使い分けているようだ。
雀の次は田螺である。稲が実れば猪の出番であった。
植えれば実るとは限らないのが大きな苦労である。
雨が小降りになるのを待ちながら2時間程車検の仕事をしてくれた。
糞詰まり状態だったのでどれほど助かったことだろう。
完成書類と車検証を高知市内の代書事務所に送る準備をする。
同時に重量税の精算をしなければならず全てが立替であった。
資金は預金に残してあったが精算すればまたゼロになってしまう。
お客さんさえ支払いに来てくれたらと恨めしくてならない。
そんな気持ちが通じたのかお昼に一人だけ来てくれた。
まるで神様のように思えて嬉しくてならなかった。
後は野となれ山となれである。明日は明日の風が吹くだろう。
午後には雨も止み義父は大喜びで田んぼに出掛ける。
同僚はまた厄介な車検整備に精を出していたが
カーブスに行きたくてならず定時で退社した。
とんとんとんと音が聴こえるようなルーティンである。
ひとつでも欠けてはならないと自分で決めつけていて
何としてもと躍起になってしまう性分である。
もしひとつでも欠けたら不完全燃焼となるのだった。
それだけは避けたい。ある意味強情な性分でもある。
明日の夜は高知市内で古希の同窓会があるのだが
欠席にして本当に良かったと思う。
不自由な足のせいにしてしまったが何よりも仕事であった。
同級生達の殆どは現役を引退しているようだが
私はまだまだ働かねばならない。同窓会どころではないと思う。
何よりもルーティンが大きく狂うのが我慢出来なかった。
それは在る意味日常の「ヒビ」のようなもので
そのヒビを繕うほど私は器用ではなかった。
いくら平凡な日常であってもそのために生きているのである。
信号が赤になれば止まる。青になればアクセルを踏む。
車の窓を開ければ雨上がりの爽やかな風が何とも心地よい。
※以下今朝の詩
紫陽花
花のままに枯れる まるで化石のような花であった
初夏を彩る花である 色とりどりの花を咲かせ 愛でられることに慣れた 何と誇らしいことだろう
雨が降れば潤い輝く しっとりと誰かを想う それは恋の季節でもあった
やがて真夏がやって来る 燃え尽くような猛暑であった じりじりと焦げつくように痛い
いっそ散ってしまいたい 潔くはらはらと散りたい
もう若くはないのだろう どれほど想っても叶わない 覚悟を決める季節であった
化石のままに冬を越す 死ほど身近なことはない 生きているのか それさえも分からなくなる
春は希望でしかない 枯れた枝先から若い緑が萌える やっと生きていたことを知った
化石の花は緑に覆われ 醜いその姿を包み込む
生きてさえいればとおもう 季節はもう初夏であった
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