最高気温は17℃の予報だったが13℃止まりとなり
雨が降り始めると肌寒くてならなかった。
弥生三月だと過信してはならない。
明日の関東は雪になりそうである。
ふとイルカの「名残り雪」を思い出す。
朝の山道では女性二人連れのお遍路さんが歩いていた。
白装束も金剛杖も持っていなかったが
まさかハイキングではあるまいと思う。
リュックの荷物は少なく早朝に民宿を出たのだろう。
黙々と歩いていたがお遍路を楽しんでいるように見えた。
声を掛けることは可能であったが一瞬ためらってしまう。
何も応えてはくれないかもしれないと思う。
咄嗟に会釈をしただけで追い越してしまった。
車の窓から声を掛けるのはある意味無礼な事かもしれない。
いきなり声を掛ければきっと驚くことだろう。

今朝は同僚が出勤して来てくれたが
まだ微熱があるとのことで義父が追い返してしまった。
もう5日目になるが熱があるうちはまだ感染の危険が大きい。
同僚も仕事が気になっていたのだろう。
無理をしてでも行かなければと思ったのに違いない。
同僚が帰ってから義父の怒ること。
「非常識な奴だ」と罵り続けていた。
それも憐れでならないがとにかく完全に治して欲しいと願う。
義父は昨夜も遅くまで仕事をしていたそうだが
例の大型車の車検がやっと出来るようになっていた。
走行不能の原因を突き止め朝一に部品が届く。
それからの手際良いこと。さすが義父だなと感心するばかり。
お昼にはテスターを通し車検完了である。
納車は明日になったが納品書の作成が追い付かない。
料金表通りには行かず義父の助けが必要であった。
部品代だけでも15万を超す。工賃を加えたら大きな売上となるだろう。
作業中に義父のズボンの裾が捲れていて細い足が見えた。
まるで骨のような足で胸が締め付けられる。
もう老人なのだ。そう思い知らずにはいられなかった。
新たな車検も入庫しており今夜も遅くまで仕事をすると云う。
いくらタフな義父でも倒れるのではないかと心配でならない。
カーブスと買い物を終え4時過ぎに帰宅。
娘夫婦は窪川町の病院へ行っており留守であった。
てっきり今日から仕事復帰だとばかり思っていたので
何だか寝耳に水のようなことである。
しかも娘が付き添う位だから余程悪いのだろうと思う。
娘婿の休職からもう3ヵ月目となった。
いくら理解ある会社であっても限界ではないだろうかと気遣う。
もし解雇になったら娘達はいったいどうするのだろう。
娘達が夕食不要とのことで夫にステーキを焼いていたのだが
あやちゃんも食べたがっていたので別皿に取り分けてあった。
私は昨夜の鍋の残りで済ませたのだが
夫がお肉を食べること、それも残さぬようにガツガツと食べる。
「もう3切れだ、手伝え」と云うので呆れ返る。
「あやちゃんのお皿に入れちゃったらえいやん」と告げると
やっと我に帰ったようで箸を止めたのだった。
食い意地が張っていると云えばそれまでだが
何だか異常な姿に見えて少し嫌悪感を感じた。
おそらく普段から遠慮して我慢をしていたのだろう。
それも憐れであるが今夜は度が過ぎたようだ。
娘夫婦も帰宅し平穏な夜である。
雨はまだ降り止まず雨だれの音が響いている。
何も変わりはしないのにふっと心細くなるのだった。
確かに生きているのだが「いのち」が頬杖をついているような夜である。
※以下今朝の詩
子狸
母さんは死んでしまった 里に餌を探しに行って 車に轢かれてしまった
沢山の鴉が群がっている 母さんは鴉の餌になった
哀しくて辛くてやり切れない けれども泣いてばかりいたら 飢えて死んでしまうだろう
里には春の陽射しがあふれ 満開の梅の花が匂っている 散ってしまえば桜の季節 その可憐な姿が目に浮かんだ
山には山菜の季節がやって来る 母さんが教えてくれた筍もある 弟や妹にも食べさせてやりたかった
梢のあいだからこぼれる陽射し 日に日に緑が濃くなっていく
子狸は生きたくてならない 母さんはきっと守ってくれる
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