彼岸明け。最高気温が23℃まで達し汗ばむ程の陽気となる。
暑さ寒さも彼岸までとはよく云ったものだ。
隣町の宿毛市では全国一の早さで桜が開花したそうである。
ぱあっと目の前が明るくなるようなニュースであった。
四万十市もすぐ後を追うだろう。わくわくと楽しみでならない。
今朝は寒さが和らいでおり春物の衣服を着た。
まだ寒の戻りがあるかもしれないが思い切って衣替えをする。
去年はいったい何を着ていたのだろうと思うが
押し入れから出して見ればけっこうな衣装持ちであった。
春の装いとなれば気分も晴れやかに明るくなることだろう。
午前中に市街地の商店街へ。昔からある老舗の精肉店である。
ノロ騒動で夫の誕生日祝いをしていなかったので今夜は焼き肉であった。
娘のお腹の調子もすっかり良くなり大賛成である。
精肉店のご主人も奥様もとても愛想が良く何とも好ましい。
「お花見にも行かないと、お肉も食べんといかんね」と笑い合った。
商売人はこれでなくてはと思う。笑顔こそが基本なのだ。
午後はしばらく寝ていたが3時頃から大相撲の千秋楽を観る。
相撲好きの夫が興奮しておりそれもまた愉快な光景であった。
5時を過ぎれば高安と大の里の優勝決定戦となり手に汗を握る。
大の里はこれまで2回も優勝経験があるが高安は悲願の初優勝だった。
何としても勝たせてやりたかったが優勝は大の里の手に渡る。
現実はとても厳しい。勝負の世界とはそう云うものなのだろう。
誕生日のお祝いとは名ばかりで夫と二人だけでハラミを焼いて食べる。
家族6人が揃って夕食を食べることは全くなくなっていた。
それも慣れてしまえばどうと云うこともなく美味しさには変わりない。
夫が嬉しそうに食べている姿こそが幸せに思えた。
やがては夫婦二人暮らしになるのだろう。予行練習のようなものである。
気分は春でありながら何となく物悲しさを感じるのは何故だろう。
ふと来年の春も生きているのだろうかと思う。
光が溢れるほど影になる。心細くてならないのだった。
生きて貫きたい事があるほど不安が襲って来るこの頃である。
彼岸が明ける。その彼岸とはいったい何処にあるのだろう。
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