穏やかな晴天。最高気温は20℃を超え汗ばむ程の陽気となる。
庭先の桜草やビオラが辛そうに水を欲しがっていた。
葉牡丹には花が咲き今にも蝶々が飛んで来そうである。
むくむくと何かが動き始めているがその正体は分からない。
もしや私も春になろうとしているのだろうか。
朝ドラ「カーネーション」の最終回を見終わり感慨に浸る。
再放送であったがこれ程心に残るドラマがかつてあっただろうか。
老いることを怖れてはならない。それ以上に死を怖れてはならない。
そこにはきっと思い残すことのない人生があるのだろう。
10時からはカーブスであったが心地よく汗を流す。
私の汗はやはり異常のようで扇風機が欲しくてならなかった。
身体の中に灰汁のような物があり蒸発しているとしか思えない。
綺麗さっぱりである。そうして心も浄化されて行く。
午後はひたすら寝て過ごしていたが玄関のチャイムが鳴り
あやちゃんの担任の先生が花束を届けてくれた。
もう二度と会うことも叶わないだろうにあやちゃんは姿を見せない。
応対に出た娘は涙ぐんでいたようだった。
娘にとっても辛い一日だったことだろう。
これまでどんな思いで見守って来たことか。その心中を察する。
「卒業祝い」どころではなかったがせめてもとあやちゃんの好きな
ポテトサラダを作った。茹で卵の黄身を裏ごしして載せる。
娘とめいちゃんはダンス教室があり5時半には出掛けて行った。
夫と先に夕食を済ませていたがあやちゃんも空腹だったのだろう。
鶏の唐揚げとポテトサラダをこっそり子供部屋へ運んでいた。
独りぼっちの夕食であるが慣れているとは云わせたくはなかった。
やっと卒業式が終わった。あやちゃんはもう小学生ではない。
どれほど思い悩んでいたことだろうか。解放されたのだと思いたい。
中学生になっても葛藤は続くだろうがほんの少し羽ばたくことが出来る。
誰も無理強いはしないのだ。自分の選んだ道を進んで欲しいと願う。
今日の陽気で桜の蕾も一気に膨らんだことだろう。
咲かないことを選ぶことがどうして出来ようか。
咲けるのに咲かないことを選ぼうとしている12歳の少女がいる。
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