ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年03月17日(月) 此岸と彼岸

彼岸の入りには必ずと云って良いほど「寒の戻り」がある。

此岸と彼岸が最も近くなる頃である。季節が引き裂かれるのかもしれない。

冬の痛みはどれ程のものだろう。あがき苦しみながら去って行くようだ。


今朝は山里に着くなり小雪が舞い始め驚く。

強風に煽られ空を切るように降っていた。

午後には陽射しがあったが何とも冷たい一日であった。


体調はまずまずでまだ少し胃に不快感があったが

仕事の事で頭がいっぱいになっており休むわけにはいかない。

なんとしても月末を乗り越えねばと気ばかり急いていた。

しかし思うようには行かないもので順調には程遠いスタートである。

同僚や義父の助けがなければ到底無理な話であった。

後から後から難題が降りかかって来て頭を悩ますばかりである。


午後にはすっかり気力がなくなってしまい早目に退社した。

帰宅するなりあやちゃんに声を掛けたが眠っていたようだ。

娘に訊けば順調に快復しているようでほっと胸を撫で下ろす。

娘婿も昨夜から嘔吐が始まり今日は仕事を休んでいた。

すべて私の蒔いた種で心苦しくてならない。

幸い娘とめいちゃんは無事で「どうかどうか」と祈るばかり。


今日は夫の73歳の誕生日であったがお祝いどころではなかった。

夫もそれは承知であったがせめてもと好物の「八宝菜」を作る。

めいちゃんが「お手紙」を書いてくれて何と嬉しそうな顔。

目を細めて読んでいる横顔はとても幸せそうだった。

めいちゃんがなんだか天使のように思える。


亡き母も生きていれば87歳の誕生日であった。

今頃は黄泉の国で飲み友達と酒盛りをしていることだろう。

先立った友の多いこと。決して寂しくはないのだと思う。


ふと思うのは「ゆるやかな坂」であった。

私も歩んで行かねばならずやがては黄泉の国へと辿り着く。

桜の季節だろうか。坂には花弁が散り始めているだろう。

生きた証を見納めるように振り向いているのかもしれない。




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