晴れのち曇り。陽射しの無い午後は少し肌寒く感じる。
お天気は下り坂で明日、明後日と雨が降るようだ。
催花雨になるかもしれないが桜はまだ蕾も見えていない。
朝の道を行けば山肌からこぼれるような白い花が見えた。
「馬酔木」に違いない。早春に花を咲かすツツジ科の低木である。
葉には毒があり馬が食べると酔ったようにふらつくのだそうだ。
綺麗な花には毒があると云うが鈴なりの花は何とも可憐である。
私も馬だろうか、今朝は少し鼻息が荒くなっていた。
仕事の事で頭が一杯になっており気負い過ぎていたのだろう。
義父は機嫌よく田んぼの草刈りに出掛けて行ったが
あまりの忙しさに胃がきりきりと痛んでいた。
工場の仕事の段取りもしなければならず同僚だけが頼りである。
月曜日から飛ばし過ぎてはいけないとお昼休憩をしようとしたら
義父が帰って来てすったもんだが始まった。
田んぼの事だけ考えていれば良いのに工場の仕事も気になるのだろう。
二足の草鞋を履くと誰しもそうなるのに違いない。
わあわあととにかく五月蠅い。耳を塞ぎたくなった。
空腹でもあったのだろう。昼食を終えるとまた直ぐに出掛けて行く。
「やれやれ」である。けれども休憩は出来ずもう一時になっていた。
義父の留守を良いことに2時過ぎに帰路に就く。
取引先の中古部品屋さんに寄らなければならなかった。
また息子の職場の目と鼻の先である。
ずっと音沙汰の無い息子も気掛かりであるが
便りのないのは元気な証拠なのだろう。
今夜は夜勤かもしれないと想像するばかりの母であった。
4時前に帰宅。夫と大相撲中継を観る。
途中からいつの間にか寝入っていたようだ。
5時になり夫は大相撲を観たくてたまらない様子だったが
私の車をダイハツに持って行ってくれた。
今日からまた一週間の入院である。
何でも整備士が大喜びするような不具合なのだそうだ。
何としても原因を追究しようとする整備士魂を感じる。
きっと完璧に直って帰って来るだろう。楽しみなことだった。
娘が牡蠣フライ、海老フライ、新玉葱のリングフライをあげてくれる。
揚げ物が得意な娘に再就職先はお惣菜屋さんだと言って笑い合った。
帰宅した夫が代車が凄いぞと興奮気味である。
新車なので私は運転に自信がなく夫としばらく交換することにした。
明日からは夫の車で出勤である。煙草は絶対に吸ってはならない。
目まぐるしい職場から帰ると何と穏やかな我が家なのだろう。
まるで天国と地獄のように思うが地獄を怖れてはならない。
必要とされることほど有難いことはないのだと思う。
そんな地獄にも桜の花が咲く季節がきっとやって来るだろう。
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