夕方から強い風が吹き荒れており雪の兆しを感じている。
午前中は思いがけずに晴れて気温も10℃まで上がった。
しかし予報通りに午後から小雪が舞い始める。
今夜も雪の予報なので明日の朝はまた雪景色かもしれない。
なんだかここ数日ですっかり慣れてしまって騒ぎ立てることもなくなった。
最強寒波ももう少しの辛抱である。来週には一気に暖かくなりそうだ。
昨年の夏の猛暑を思うと春は短く直ぐに夏になってしまうかもしれない。
地球温暖化なら今の厳しい寒波はどうしたことだろうか。
戸惑うことが多いが受け止めながら過ごすしかないのだろう。
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午前中に義父は整形外科へと向かった。
お昼過ぎに帰って来たがあまり詳しい説明はなかったらしい。
県立病院の医師と連携して治療に当たるものだと思っていたので
なんだか肩透かしをくらったような複雑な気分になった。
当の義父はけろっとしておりそのうち治ると楽観的である。
深刻に考えるよりその方が完治の近道かもしれない。
昼食を食べ終えると作業着に着替え精力的に仕事を始めていた。
大型車の車検整備が完了しており車検場に乗り入れる際に
大きな物音がして何事かと外に飛び出してみると
大型車の後部がサービスカーに接触していた。
バックドアのガラスは飛び散り大きな凹みが出来ている。
首にギブスを巻いているため後部の確認が出来なかったようだ。
へらへらと笑い飛ばす義父。まるで子供の悪戯のようであった。
これが同僚であったらどんなにかお叱りを受けたことだろう。
幸い中古のバックドアが見つかり近いうちに修理をすることになる。
お客さんの車だったら大変なことになるところだった。
金曜日は同僚にお給料を支給する日である。
月給制ではなく週給制の我が社であった。
一度には払えないので分割払いだと云えば聞こえは良いが
それだけ資金繰りに頭を悩ませている証である。
今日も預金残高はほぼゼロ。現金も数千円しかなかった。
しかしそこで嘆くような私ではない。
ここは立て替えておこうと自分の貯金から引き出して来た。
貧乏人であるが年金を少しずつ貯めているのである。
今日はそれが役に立ち「我ながらすごいな」と思った。
近いうちの大口の入金がある予定なのでその時に返してもらうのだ。
そうでなければ私もすっからかんになってしまう。
車検に手間取り書類を書き終えたらもう4時である。
これでこそ金曜日だと心地よい達成感があった。
今夜は娘達が夕食不要とのことで簡略しようと思っていたが
無性に焼き肉が食べたくなり普段は買えないような「黒毛和牛」を買う。
夫の何と嬉しそうな顔。ビールの後に日本酒も飲んでいた。
二人暮らしも良いものだなと思ったが毎日となると寂しいことだろう。
あやちゃんが二階から降りて来る。
一緒に食べないかと誘ったが遅くなっても両親と食べるのだそうだ。
あやちゃんの姿を見て驚いたのは夏の短パンを履いているではないか。
いかにも寒そうで気遣わずにはいられなかった。
「ぜんぜん平気」と笑顔が返って来る。それが若さなのかもしれない。
夜が更けるに従って風が一段と激しくなった。
まるで地震のように窓ガラスががたがたと鳴っている。
ふとあやちゃんが独りきりならどんなにか心細いことだろうと思った。
私達の存在も決して無駄ではないのだろう。
眠る前には必ず「おやすみい」と声を掛けるようにしている。
あやちゃんも大きな声で「おやすみい」と言ってくれるのが嬉しい。
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