陽射しはたっぷりとあったが北風の冷たい一日。
西高東低の気圧配置となりとうとう冬の訪れである。
夕方から気温が下がり始めておりちゃんちゃんこを羽織った。
娘達が暖房を点けており少しでも節電しようと我慢している。
入浴後の夫はまだ半袖と短パン姿であった。
寒くはないそうでまるで若者のようである。
年寄りの冷や水にならなければ良いがと気遣わずにはいられない。
血圧は正常値。少しずつ寒さに慣れなければと思う。
急激に血圧が高くなり死ぬことはないと主治医は言ったが
どうしてそんなことが信じられようか。
おそらく医師は私の不安症を和らげるためにそう言ったのだろう。
暗示に掛かるのが一番危険である。「大丈夫、大丈夫」と念じよう。
月曜日であったが同僚が高知市へ出張のため開店休業となりそうだった。
整備の講習会に参加しなければならず早朝から出掛けたようだ。
義父はてっきり農作業だと思い込んでいたのだが
長いこと預かっている厄介な修理に精を出していた。
おそらく開店休業にする訳にはいかないと思ったのだろう。
それが何と驚くほど働くこと。昼食も食べようとはしない。
これまでも手を尽くしてきたがまだ完璧ではないのだそうだ。
お客さんが様子を見に来たら80%と応える。
あと20%なのだ。何としても直そうとする意気込みを感じた。
事務仕事は一段落していたので2時半で終らせてもらう。
帰り際に「ちゃんとお昼を食べたよ」と言い残して帰路に就く。
後ろ髪を引かれるような気持であったが早く家に帰りたかった。
炬燵に潜り込んで横になることばかり考えていたのだった。
娘の休みは一週間だとばかり思い込んでいたのだが
私の聞き間違いだったのだろう。今日から通常通り出勤していた。
また全ての家事が圧し掛かって来る。こればかりは仕方ないことである。
如何に手を抜くかだがそれにも限界があり出来ることをと思う。
夕飯はホットプレートで鉄板焼きにして急場を凌いだ。
明日はどうしよう。悩みの種がどんどん増えて行きそうであった。
話しが前後するが帰宅した時に夫が作業場に行ってみるかと言う。
先日から娘達が片付けていたので私も気になっていた。
「これを見てみろ」夫が指差した先に大きな冷蔵庫がある。
中古品のようであったが中は綺麗でまだ上等に見えた。
いったい何のために。それが一番の疑問だったので
夫とあれこれと詮索せずにはいられなかった。
私は近いうちの別居のために準備をしているのではないかと。
夫は娘婿の友人達の溜まり場になるのでビールを冷やすのだと言う。
どちらが正解かは分からないが何だか不可解なことであった。
私達の知らない処で何かが動き出しているような気がしてならない。
娘との会話は殆ど無く何を考えているのか全く分からない。
同じ一つ屋根の下に暮らしながらもはや2世帯の我が家であった。
別居は覚悟しているが「いま」であってはならないのだ。
今日もあやちゃんは何度も茶の間に下りて来て夫と話したそうだ。
きっと炬燵が嬉しかったのだろう。ほんわかと優しい気持ちになる。
一番に何を守るべきか。娘達には言えないことが多過ぎるこの頃であった。
|