ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2024年09月26日(木) 専務おばば

朝は肌寒いほどだったが日中は真夏日となる。

本格的な秋にはまだ程遠いのだろう。

もうしばらく夏の名残を楽しむのも良いかもしれない。

やがては寒い冬がやって来るが一年で最も苦手な季節である。



例年なら柿の実が色づき始めるころ。

職場には2本の柿の木があるが今年は一個も実を付けていない。

おそらく大繁殖していたカメムシの影響ではないだろうか。

葉ばかりの柿の木のなんと寂しげなことだろう。


今朝は板金塗装済みの車があり義父と納車に行っていた。

すぐ近くに義父の田んぼがあるので様子を見に行く。

先日から猪の被害にあっており義父も気が気ではないようだ。

最後に植えた稲で「十和錦」という銘柄の匂い米である。

もちろん食糧米だが猪も美味しいお米を知っているのだろう。

飼料米には目もくれず匂い米ばかり食べに来るのだった。


田んぼを見て唖然とする。もう稲刈りの必要もないほど荒らされていて

田んぼの片隅に僅かに稲が残っているだけなのだ。

幸い全部の田んぼではなさそうだが義父の失望は大きかった。

来月になれば最後の稲刈りを予定している。このままでは一刻を争う。


仕事は今日も忙しく飛び込みで一般修理のお客さんもあった。

完全予約制なのだが無下に断るわけにもいかない。

仕方なく今日の予約のお客さんに午後まで待ってもらうことにした。

私が段取りをするものだから同僚の機嫌がすこぶる悪い。

義父は田んぼの草刈りに出掛け全く知らん顔である。


例の大口の入金は今日も無かったが小口の入金がけっこうあった。

金庫が潤う。このまま行けば月末を乗り越えられるかもしれない。

落胆よりも希望である。笑う門には福来ると云うではないか。

とにかくくよくよしないことだ。笑顔を忘れずにいよう。



整形外科のリハビリの日だったので2時に退社。

予約時間まで余裕があたので先に法務局へ行く。

母が亡くなって取締役が減り新しい謄本が必要だった。

義父はしきりに私に専務をと勧めてくれていたが

夫と相談の上、辞退してしまったのだった。

責任が重過ぎるのだそうだ。今まで通りの事務員で居ろと云う。

私は「専務おばば」に少し憧れていた。職業は「会社役員」である。

なんだかめっちゃかっこいい肩書に思えてならなかったのだ。



リハビリを終えてサニーマートでゆっくりと買い物をする。

お惣菜を2種類買って後は2品ほど作ることにした。

「茹で卵と胡瓜のサラダ」「エリンギのオイスターソース炒め」


セルフレジで精算を済ませて入口近くの花屋さんで足を止めた。

可愛らしいピンクのカランコエの鉢がとても気に入る。

自分の為ではなかった。明日は幼馴染の命日なのでそっと届けようと思う。

助手席にカランコエを宝物のように載せて家に帰った。


帰宅して洗濯物を畳みながら夫と一緒に「暴れ奉行」を見る。

もう4時半だったのでラストが近かったがそのラストが豪快で面白い。

悪人たちが次々に成敗されるのだが決して残虐ではなかった。

血が流れるシーンは殆ど無く安心して見ていられるのだ。



夕食後も短歌は書かずただ沈む夕陽を仰いでいた。

私は「わたし」以外の何者でもなかったが

存在すると云うことはもしかしたら奇跡かもしれないと思う。







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