快晴の夏空。幸い猛暑はほんの少し和らぐ。
人間の身体とは不思議なもので一度でも猛暑を経験すると
35℃の気温が随分と過ごし易く感じるようだ。
今日は風もあり昨日よりもずっと楽であった。
職場の荒れた庭に母が遺した百日紅の花が咲き始めている。
鉢植えなので小さな木だが薄紅色の花のなんと鮮やかなことだろう。
辺りには夏草が生い茂っており花には気の毒であるが
手入れなどすることも出来ず母にも申し訳なく思う。
百日咲くと云う夏の花である。
昨年母が亡くなった時も鮮やかに咲いていたことを思い出す。
生前の母が愛でていたことを思うとなんとも切ないものだった。
スイッチオンと仕事に行く。する仕事のあるのは有難いことである。
職場に着くなり来客があり同僚と対応に追われていた。
エアコンが効かないのだ。しかし肝心の義父の姿が見当たらない。
電話を掛けてもなしのつぶてで諦めるしかなかった。
お客さんはまた出直してくると言ってくれたがなんと申し訳ないこと。
先週も同じことがあったばかりで度重なると信用もなくなるだろう。
そこをいかにカバーするかである。お客様は神様であった。
お昼にやっと帰って来てくれたが早朝から畔の草刈りをしていたらしい。
空腹で倒れそうだと云うので急いでお弁当を買いに走る。
いつもならご飯を炊いているのだがお米を切らしてしまったようだ。
もちろん玄米はあるが精米に行く時間がないとぼやいていた。
とにかく忙しいのだ。それは言われなくても知り尽くしている。
午後もひっきりなしの来客。またエアコンが効かないお客さんだった。
義父が居てくれたので大助かりである。ガス不足だったようだ。
それから事故車を引き取りに行ってくれた。
なんと新車納車からまだ5日目のお客さんである。
86歳の高齢者なので心配していた通りになった。
自損事故で相手がいなかったのが幸いと思いたい。
ぐるぐるぐると歯車が回っているような忙しさである。
お昼休みもなかったので短歌どころではなかったが
何を拘っているのか「休む」ことだけはしたくなかった。
2首はなんとか書けたが3首目が思うように書けない。
退社寸前になってやっと3首目を書き終えることが出来た。
決して暇をもて余しているわけではないのだ。
時間の余裕の全くないところから生まれる短歌は如何なものだろう。
まるで崖っぷちで叫んでいるようなものである。
3時半に退社。帰宅すれば洗濯物の山である。
もう5時近くなっていたが10分だけSNSをチェックしていた。
何とも知れない短歌に少しでも反応があると嬉しいものだ。
仏壇に供えていたコーヒーを持って階下に下りたが
うっかりしてカップを落としてしまった。
なんとそれがめいちゃんのプール袋の中であった。
もう泣きそうである。早く後始末をしなければと焦りまくっていた。
床に座り込めば今度は立ち上がることが出来ない。
夫に抱きかかえてもらってやっと立ち上がることが出来た。
もうとっくに5時を過ぎていたが洗濯物を畳む。
メンタルがどんどん落ちて行く。情けないったらありゃしない。
大きな溜息をつきながら前途を悲観するばかりであった。
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