2024年06月23日(日) |
おまえはもう死んでいる |
晴れたり曇ったりにわか雨が降ったり。
沖からの風が強く吹いていたが酷く蒸し暑い一日だった。
耐え切れずにエアコンを稼働する。もう節電どころではない。
道路沿いの民家の庭にアガパンサスが見事に咲いていて
前を通る度にほっこりと心を和ませている。
紫陽花と同じ季節の花だがなんとなく日陰の身なのだろう。
紫陽花程には愛でられずひっそりと慎ましく咲いているのがいい。
花ならばそんなふうに生きたいものだ。
朝のうちにサニーマートへ。また一週間分の酒類を買い込んで来た。
これが私にはいささか重労働で汗がぽたぽたと落ちる。
先週は店員さんが助けてくれたが今日はそうはいかなかった。
マイバックではなくマイカゴを準備した方が良さそうである。
カゴならそのまま車に積み込めるのできっと楽に違いない。
しかし今からこの有り様では先が思いやられる。
80歳になった私が悪夢のように目に浮かんだ。
昼食は冷やし中華。麺を茹でてスープを掛けるだけのシンプルなもの。
「一風」の具沢山の冷やし中華が食べたくてならない。
夫が来週には電話確認をしてから行ってみようかと言ってくれる。
どうか始めていますように。もうすっかり食べたような気持になった。
3時間程昼寝をしたが久しぶりに母の夢を見た。
なんともリアルな夢で母の死など嘘のように思える。
7月20日から海外へ旅行に行くのだそうだ。
誰と一緒に行くのだろうかと問えば我が家のお向かいの奥さんだった。
だからその奥さんを私の代わりに会社で雇ったのだと言う。
私はもうクビらしい。母の偉そうな顔が憎たらしくてならない。
北斗の拳ではないが「おまえはもう死んでいる」と叫んだ。
母は一瞬悲しそうな顔をして見せたがすぐにケロッとする。
なんだか馬鹿にされているような気がして悔しくてならなかった。
母でありながら母ではない。いつまで経っても会社の上司である。
いざこざが絶えなかった頃を思い出さずにはいられなかった。
子供の頃の優しかった母はいったい何処に消えてしまったのだろう。
たとえ夢でも一生会うことは叶わないのかもしれない。
もしかしたら寂しくてたまらないのではと思った。
遺骨は空家同然の家にそのまま放置してあり
誰一人手を合わす人もなく月日が流れるばかりであった。
この夏は初盆であるが母は無事に帰ることが出来るのだろうか。
「もう私のことなんか忘れたがやね」と母の声が聞こえる。
どうして忘れることが出来ようか。伝える術もないが
朝に晩に遺影に手を合わせている娘を見失わないで欲しい。
魂は永遠だと信じている。来世には私が母になろうではないか。
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