九州南部の梅雨入りに続き四国地方も梅雨入りとなった。
いかにもそれらしく朝からずっと雨が降り続いている。
なんとなくしんみりとしてしまうのは雨のせいだろうか。
気力はあるようでなくまるで容器の底に沈んだように過ごしていた。
振れば混ざるだろう。分かっているけれど何も出来ない。
午前中は横殴りの雨。買い物に行っていたが雨に濡れてしまった。
杖と傘を両方持つのはけっこう大変である。
けれども車椅子の人も居るのだ。これ位のことで嘆いてはいけない。
サニーマートで新しい失禁パンツを買った。
手触りもよくゆったりしていて「速乾」と記してある。
ネットで3枚も買ってしまったことが未だに悔やまれてならない。
箪笥に仕舞ってあるが思い切って捨ててしまおうと思う。
そうすれば綺麗さっぱりと忘れてしまえるだろう。
娘は昨日から寛いでいて今朝も遅くまで寝ていたようだ。
洗濯物の乾燥が終っていたので取り出そうとしたら
洗面台で顔を洗っている娘と一緒になった。
もしかしたらと期待する。畳んでくれそうな気がしたのだった。
しかし娘は見て見ぬふりをするかのように立ち去ってしまう。
がっくりだったが「もう当てになんかするもんか」と思った。
洗濯物を畳みながら虚しさが込み上げて来る。
私は生きている限り洗濯物を畳み続けるのだろう。
畳むだけではない。毎朝干すのも私の役目であった。
決して嫌いな家事ではないが途方に暮れるような気持ちである。
夫が「そのうちあやが畳んでくれるようになるろう」と言ってくれたが
それはいったい何時のことだろう。今はとても考えられなかった。
午後はひたすらごろごろと寝てばかりだったが
日課の短歌だけは書き終える。これだけは気力があるようだ。
今朝の高知新聞にちらっと短歌が掲載されていて嬉しかった。
落選続きの時が多いがたまには「ご褒美」があるようだ。
ささやかなことでも励みになる。また頑張ろうと思う。
5時になり夕食の支度を始めた。
娘を当てにしないと決めたのでとても気が楽である。
もう肩を並べて料理をすることもないだろうとさえ思う。
そうしたら娘が二階から降りて来て黙って手を出し始めた。
私は無意識のうちにツンツン尖っていたのかもしれない。
元来卑屈な性格である。それは在り得ることだろう。
「もういい、全部自分でやる」と心の声が聞こえたような気がした。
まだまだこれから先が長いのだ。今から躓くわけにはいかない。
そのうち娘も仕事に慣れて家事も少しずつ出来るようになるだろう。
私はやはり「肝っ玉母さん」でいなければとつよく思った。
これを書いているうちに雨が止んだようだ。
風も出て来て雨雲が東に流れているのが分かる。
梅雨入りはしたが明日は晴れるとのこと嬉しくてならない。
思い煩うことなく淡々と過ごしたいものだ。
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