ぽつぽつと小雨だったが午後から激しく降る時間帯もあった。
九州南部が梅雨入りとのこと。四国も直ぐに後を追うだろう。
雨が止んだ頃玄関のチャイムが鳴り夫が応対に出てくれたが
なんと全身ずぶ濡れのお遍路さんが立っていたのだった。
荷物も濡れてしまったのだろう乾いたタオルを欲しがっており
娘と私が応対を代わりバスタオルとフェイスタオルをお接待した。
新品のタオルもあったがそれでは水気を吸い難いので
使い晒しの洗ったタオルの方が良さそうである。
訊けば雨具は一切持っていないとのこと。
なんだか無謀にも思えたが初めてのお遍路ではないのだそうだ。
23年ぶりだと言う。遠路はるばる茨城県から来たらしい。
目のくりくりっとした60代位の男性だった。
もう4時近かったので今夜の宿を心配すればお大師堂へ向かうと言う。
ほっとしたがお風呂に入ることも出来ないので憐れでならない。
民泊なら入浴はもちろんのこと温かい食事も食べられただろうに。
これまでも野宿だったのだろうか。そこまでは訊けなかった。
お遍路さんは皆それぞれに事情を抱えているのだと思う。
観光がてら優雅な旅をしている人もいれば
節約しながら切り詰めて旅をしている人もいるのだった。
今日のお遍路さんは間違いなく後者だと思われた。
これもささやかな一期一会なのだろう。我が家を選んでくれたのだ。
田舎とは云え密集した住宅地のことである。
Sさんならきっとお風呂のお接待をしたのに違いない。
そう思えば私は薄情だとも取れるだろう。どうかお許し願いたい。
娘はゆっくりと休めたようだ。今夜は夫婦で外食に出掛けている。
夫とめいちゃんは義妹宅にお呼ばれしご馳走になっているようだ。
義妹が「鶏飯」を持って来てくれた。これがとても美味しいのだった。
私とあやちゃんはそれで済ます。簡単で楽ちんな夕食であった。
朝のうちはカーブスへ行っていたが午後からは寝てばかり。
なんだか身体が怠けてしまってよけいに疲れを感じている。
気分転換がしたくてならないが何も思い当たることがなかった。
嬉しいことはなくてもいい。新鮮な何かに出会いたいものだ。
先日からこの日記の閲覧数が17人に落ち着いた。
それはとても喜ばしいことでほっと安堵している。
「ゆらゆら茶屋」の固定客に他ならない有難い存在なのだった。
だから決して不愉快な思いをさせてはいけないのだと思う。
かと云っていつもにこにこ笑顔でいられないのが申し訳ない。
浮き沈みの激しい性分である。その上に偏屈と来ているからしょうがない。
「三十四の瞳」に見守れられてこその私であった。
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