爽やかな晴天だったが午後から曇り空となる。
気温は22℃程風もありずいぶんと涼しく感じた。
紫陽花の花が日に日に色づいており嬉しくてならない。
山道から人里に入った道沿いにそれは沢山植えてあり
まるで「紫陽花街道」のようである。
「遍路道」でもありお遍路さんも心を和ませていることだろう。
ずいぶんと昔から植えられているが今は手入れをする人もいないらしく
春先まではまるで化石のような茶色い花の名残が多く見られた。
毎年不思議に思うのだが花芽が見え始めると名残の花は
忽然と消えてしまって何処にも見当たらなくなる。
落ちることも散ることも出来ない花だ。
枯れたままいったい何処に消えてしまうのだろう。
出勤前に母の遺影に声を掛けてから出掛ける。
「どうかおとうさんを引き留めてね」
その願いが叶ったのだろう。今日は義父に逃げられずに済んだ。
朝から精力的に工場の仕事をこなしてくれてとても助かった。
やる気になったらとにかく凄いのだ。あっという間に片付いて行く。
午後から車検が2台。1台は不具合があり手直ししてくれる。
同僚もベテランだが義父はまだその上をいく超ベテランだった。
書類を作成していたら2時を過ぎてしまってかなり焦る。
リハビリのある日だったので遅れる訳にはいかない。
時間厳守なので予約時間の10分前には受付を済ます必要があった。
完成した書類を封筒に入れ郵便局へ走る。
明日必着なので速達で送れば間に合う。
3時に退社。大急ぎで整形外科に向かった。
3時40分の予約なのでギリギリセーフである。
リハビリの成果はすぐに現れる。
痛みが薄れているので歩くのがとても楽になるのだ。
カートを押して買い物をするのも辛くはなかった。
出来れば週二回と思うが仕事がある限りは無理だろう。
今日のように忙しい日は思うように行かないはずである。
その上に明日はもう月末で資金繰りに頭を悩ませている。
こればかりは義父に相談しても埒が明かず自分で何とかするしかない。
これまでどれ程の荒波を乗り越えて来たことだろう。
それは自信にも繋がるが明日になってみなければ分からないことだ。
「思い煩うことなかれ」きっと何とかなるだろう。
そうして日々試されている。だからこそ弱音を吐いてはならない。
私はそれほど強くもないし勇気もないけれど
目の前に山があれば登るしかないのだと思っている。
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