爽やかな晴天。気温は夏日であったが風があり過ごし易かった。
全国的に気温が高いなか北海道では雪が降った処があるそうだ。
寒さには慣れているとはいえどんなにか戸惑ったことだろう。
日本は狭いようでいて広い。それぞれの土地で皆精一杯に生きている。
今日は小学校の運動会だった。
熱中症対策だろうか今年から5月に行われるようになったようだ。
開始時間も8時半と早く学校側も暑さに用心しているようである。
めいちゃんは準備係。いつもより早く元気に登校する。
開会式が終るとすぐに百メートル走があった。
めいちゃんの速いこと。我が孫ながら誇らしくてならない。
6年生の競技も多かったが当然のようにあやちゃんの姿はなかった。
寂しさはもちろんのことだったが少し胸が締め付けられる。
あやちゃんはどんな気持ちで留守番をしているのだろうと思う。
小学校最後の運動会であった。思い出にもならないことが切ない。
伝統競技の「一輪車パレード」これは見事であった。
皆の先頭を切ってめいちゃんがすいすいと走り抜けて行く。
練習中には何度も転んで擦り傷が絶えなかったが
本番では努力の成果を発揮出来たのだと思う。
きっと良い思い出になったことだろう。拍手喝采であった。
あやちゃんも4年生の時には一生懸命練習をしていた。
同級生たちは皆乗れるのにあやちゃんだけ乗れなかったのだ。
悔しさもあっただろう。情けない気持ちもあっただろう。
けれども本番ではちゃんと乗ることが出来たのだった。
それが自信に繋がると誰もが信じていた。
まさかそれが最後になるなんてどうして思えただろうか。
嘆こうと思えばいくらでも嘆くことは出来る。
けれども在りのままの現実から目を反らしてはいけない。
あやちゃんにだって未来があるのだ。
どんな環境であろうとどんな境遇であろうと
それはすべての子供に平等に訪れるものである。
この先大人になった時に後悔しない生き方をして欲しい。
自分で選んだ道なのだ。何があっても貫いて欲しいのだ。
「きっかけ」は必ずあるのだと信じて止まない。
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