雲が多かったが概ね晴れ。午前中からもう蒸し暑くてならない。
とうとう最高気温が30℃に達し今年初の真夏日となった。
沖縄、奄美地方は梅雨入りとのこと。四国も直ぐに後を追うだろう。
いま午後7時を過ぎたところ。外はまだ随分と明るい。
いつもなら涼風が吹き込んでくるのだが今日は無風状態である。
お風呂上がりの汗が引かず我慢出来なくなってしまって
押し入れから扇風機を引っ張り出して稼働させている。
まだ5月なのだ。この先いったいどれ程の暑さが襲って来るのだろう。
今朝も7時50分に家を出る。毎朝同じ時間に出るのは理由があって
商工会のS子ちゃんに会うためだった。白いプリウスである。
山里の商工会から黒潮町へ転勤になってからほぼ毎朝会えるのだった。
千切れんばかりに手を振ってくれてなんと嬉しいことだろう。
そうしてお互いが笑顔のままで出勤出来るのだから有難いことである。
2分でも家を出るのが遅くなってしまうと会えないのだった。
S子ちゃんが四万十大橋を渡り切ってしまうまでが勝負である。
なんだか恋をしているような気分で愉快にも思える朝の光景であった。
今日は高知市の整備振興会で理事会があり義父が出掛けて行った。
午後からの会なので帰りは早くても夕方になるだろう。
緊張感がすっかり薄れてしまって同僚と二人のんびりと仕事をする。
いつものことだが早弁をしようとカップ焼きそばにお湯を注いだ。
朝食が早いのでお腹が空いてもう我慢が出来ない。
とにかく3分待とうと耐えていたその時であった。
車検の予約をしてくれていたお客さんがやっと来てくれたのだった。
「おそようさん」とひょうきんな声で満面の笑顔である。
会うのは久しぶりだったのでそれからしばらく話し込んでしまう。
途中で「やばいな」と思いこっそりと焼きそばのお湯切りをしたのだが
そのまま一時間近くも箸を付けることが出来なかった。
お客さんを見送りやっと餌にありつける子豚の気持ちである。
焼きそばはうどんのようになっていた。一口食べてなんと不味いこと。
べちゃべちゃになっておりとても食べられるような代物ではない。
けれども空腹には耐えられず仕方なく掻き込むしかなかった。
それから胃がもたれムカムカと気分が悪かったのは言うまでもない。
義父が留守なのを幸いに一時間お昼休みを頂く。
意を決して同人誌へ送る短歌を16首選ぶことが出来た。
いちかばちかである。迷うことも一切せずにメール送信する。
これで肩の荷が下りた。もうストレスを感じることもないだろう。
その勢いで今日の短歌を三首書く。
昨日はあれほど辛かったのに今日は嘘のようにすんなりと書けた。
これでこそ私だと思う。何だってやれば出来るのだ。
「起き上がり小法師のように生きている試すなら今君のその手で」
ああこれは好いなと思う。我ながら素晴らしい短歌っであった。
誰も褒めてはくれないのでひたすら自分で褒めるしかない。
そうしないとどんどん落ち込んでしまう。起き上がれなくなるのだ。
またまた義父の留守を幸いに2時で退社する。
まっしぐらにサニーマートの店内にある美容院へと向かった。
ぼさぼさだった髪を短く切り白髪染めもしてもらう。
シャンプーのなんと気持ち良かったこと。
すっかり生まれ変わったような気分である。
夕食の買い物を済ませ車のバックミラーでうっとりと眺めた。
やはり私は起き上がったのだと思う。もう完璧なのに違いない。
長い人生である。この先どれほど転ぶことだろう。
悲観をし嘆き弱音を吐き続けたとしてもだ。
誰の助けも借りずに自分の力で起き上がって見せたい。
出来るか出来ないか。試されるために生きているのだと思う。
|