二十四節気の「小満」あらゆる命が満ち満ちてくる頃。
全ての命が光り輝き一年で一番好い季節に思える。
雨上がりの爽やかな晴天であったが日中はかなり暑くなった。
最高気温が28℃。真夏日の一歩手前である。
太っているせいか汗が酷い。とても代謝が良いとは思えなかった。
これからの猛暑に果たして耐えられるのだろうかと不安になる。
7時50分に家を出て山里の職場には8時20分に着く。
義父が居てくれたのでほっとしたのもつかの間
仕事の頼みごとをしたら「まあ先に田んぼじゃ」と言って逃げられる。
朝から溜息はつきたくないがどうしてつかずにいられようか。
お昼前に帰って来てくれたがそれから車検完了の書類を作成していたので
お昼休みが取れなかった。まあこれは今に始まったことではないのだが。
困ったのは短歌を書く時間がないこと。その上にしんどくてならない。
富士薬品の「リッチミン」を飲んだら少しシャキッとして来た。
午後の仕事の合間に一首ずつ短歌を捻り出していたが
まるで便秘であるかのようにすんなりと出て来ない。
正直言って辛かった。どうしてこんな思いをしてまで短歌に拘るのか。
書けない日があっても良いではないかと思うのだが
そんな自分が許せない。なんとしても書きなさいと命じるばかり。
無理をして書いたところで誰が喜ぶだろう。
どうせろくなものなど書けやしないのだ。
たとえ反応があってもそれは決して評価ではない。
なんと愚かで馬鹿げているのだろうと思わずにはいられなかった。
3時の退社ぎりぎりになってやっと発信を済ませる。
自己満足どころか自己嫌悪そのものであった。
やはり今日は書くべきではなかったのだとつくづく思う。
短歌の話ばかりで申し訳ないがもう一つ困っていることがある。
参加している同人誌の締め切りが迫っており今回もまた
16首の短歌を選ばなくてはいけなかった。
2ヶ月分で183首あるがどれも駄作ばかりである。
自信作が全くないのにいったいどうすれば良いのだろうか。
「休みます」の一言が云えない。つゆほどの勇気もなかった。
帰り道で亡き父の言葉を思い出していた。
生前の父に会った最後の日のことである。
「短歌を忘れるな、ずっと書き続けんといかんぞ」
私はそれを父の遺言だと思って書き続けて来たのだった。
けれども失われていく感性はどうすることも出来ない。
父の声が聴きたい。私は慰めて欲しくてならないのだ。
「たまには休んだらええわ」きっとそう言ってくれるのに違いない。
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