ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2024年04月20日(土) 謎の宅急便

晴れのち曇り。夕方からぽつぽつと雨が降り出す。

うっかり失念していたが昨日は二十四節気の「穀雨」であった。

穀物を潤す春の雨が降る頃。それだけ大切な時候の訪れである。

そうして八十八夜、立夏と季節は夏へと移り変わって行く。



お昼に私宛の宅急便が届いた。ネット通販はよく利用するが

「日本緑茶センター」と記してあり全く身に覚えがない。

キャンペーンなどに応募した覚えもなく戸惑うばかりであった。

佐川急便の送付状には送り主も受け取り人にも私の名が書かれてあった。

夫が心配して「開けるなよ」と言ってくれたのだが

とにかく中身と納品書を確かめてみないと気が済まない。

中には高価そうなフルーツティーが12箱も入っていた。

しかし納品書には金額の記載がない。振込用紙も入っていないのだ。

まさかカード決済では。それならば犯罪にも繋がるだろう。


居ても立っても居られなくなりネットで「日本緑茶センター」を調べた。

様々な種類のお茶を販売している信用できる会社のようである。

しかし今日は定休日で電話で問い合わすことが出来なかった。


「188」の消費者相談センターも同じく今日は電話が繋がらない。

仕方なく警察署に相談をしたら親切な署員さんが対応してくれて

佐川急便に確認を取って見るようにとアドバイスをいただく。


佐川急便も親身になってくれて「荷物は開けてないですよね」と。

まだ開けていなかったらそのまま送り返すことが出来るのだそうだ。

「だから開けるなと言うたじゃないか」と夫に散々叱られる。


もうどうすることも出来なくなってしまい月曜日まで待つことにした。

とにかくその「日本緑茶センター」に問い合わせするしかないだろう。

こんな不可解なことは初めてのことで私は焦りまくっていた。


それから一時間ほど経ち落ち着いてからもう一度納品書を確認する。

すると納品書の宛先が私ではなく大阪市にある会社名が書いてあった。

今度はその会社を調べてみたら確かに実在する会社なのである。

従業員数が2百人を超えているのでそこそこ大きな会社らしい。

納品書の通りだとその会社が注文し私に送ってくれたことになる。

けれどももちろん全く知らない会社なのだ。いったい何故なのだろう。


もしかしたらと一人だけ思い当たる人が居た。

もう20年近くも音信不通であるが大阪と云えばその人しかいない。

末永くとはいかなかったが私にとってはとても縁の深い人だった。

先日の地震を知り私のことを思い出してくれたのかもしれない。

そうだとしたらなんと有難いことだろうか。


お酒には弱くお茶を好む人だった。今もきっと愛飲しているに違いない。

だとすると「日本緑茶センター」と一本の線で繋がって行く。


娘に話したら「じゃあ電話して確かめてみれば」とさらりと言う。

しかし今更どうしてそんなことが出来よう。

あの頃の私は必死の思いで遠ざかることを決めたのだった。

けれどもその人は一生忘れることの出来ない人になった。


月曜日になれば真相が分かるだろう。今はそっとしておくことを選ぶ。

なんだかとても遠い処から舞い込んだラブレターのようだ。







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