2023年05月15日(月) |
自分の胸に手を当てる |
晴れてはいたが梅雨時を思わすような蒸し暑さだった。
大気が不安定だったのか山里では少しだけにわか雨が降る。
ツツジとサツキの違いがよく分からないけれど
サツキの花はツツジより少し小さいようだった。
私は4月に咲くのがツツジで5月に咲くのがサツキと覚えている。
春夏秋冬。それぞれの季節に咲く花があるのは有難いことだと思う。
仕事を終えてから母の入居料を支払いに病院へ行っていた。
母に会えるとは思っていなかったが手渡してもらおうと
母の好きなクロスワードの本とミレービスケットを持って行った。
ささやかではあるが一日遅れの母の日のつもりであった。
いくら薄情な娘であっても少しは思いやりがあるのだろう。
ケアマネさんと話をしていたら介護士さんも来てくれて
母をロビーまで連れて来てくれることになった。
コロナが5類になったので面会が可能になったのだそうだ。
とはいえゆっくりとはいかず短時間に限られている。
それでもつかの間とはいえ母に会うことが叶いとても嬉しかった。
そうして自分の本当の気持ちに気づくのもなんだか照れくさいものだ。
母は私の白髪頭を見て驚きどうして染めないのかと嘆いていた。
二人で並んでみれば母よりも私の方が白髪が多いのだった。
ほんの冗談のつもりで「苦労をしよるけんね」と言ったら
母はそれをまともに受け取ったらしく困ったような顔をしていた。
余計な心配をかけてしまったなと反省する。
けれども私はもう二度と白髪を染めるつもりはない。
笑顔で手を振って別れたけれど足の痛みに気づかれたようだった。
そう思って杖を付かずに行ったのだが歩き方で分かったらしい。
もう立ち止まって話は出来ない。私は逃げるように外に出て行った。
今日の母との再会を介護士さんが写真に撮ってくれて
近いうちにSNSでアップしてくれるのだそうだ。
もちろん私の顔にはモザイクが掛かっているので心配なく
その代わりに母の満面の笑顔が見られることだろう。
ニコチネルの禁煙治療も5日目となった。
困ったことに自分で意識しない限りニコチネルの効果が全く分からない。
それとやはり汗に弱いらしく今日も夕方には剥がれていた。
これでは真夏には全く使えない治療薬となることだろう。
離脱症状のレベルは真ん中の5であった。
やはり土日の完全禁煙の反動が大きく現れて来る。
苛々するばかりで仕事に全く集中できないのだった。
精神状態がまともではなくなりとうとう同僚の煙草に手を付けた。
それも一本では収まらない。帰り際に懇願してもう一本もらった。
胸にはニコチネルが貼ってある。その胸に手を当ててみるが
無情にも何も応えてはくれないのである。
こんなはずではなかったと子豚は思っている。
禁煙外来は最後の手段でありもう他に手立てはないのである。
もう子豚を責める気持ちは一切ないが
いま一度自分の胸に手を当ててみるべきなのだろう。
|