ほぼ夏日となったが湿度が低いせいか心地よい暑さとなる。
爽やかな風もあり過ごし易い一日となった。
枇杷の実がもう色づき始めている。
あと一週間もすれば食べ頃になるのではないだろうか。
他人様の庭先にあるのをまるで自分の物であるかのように眺めた。
今の子供たちはあまり喜ばないけれど昔は旬のおやつだった。
仕事が早く終れたので美容院へ行き髪を切ってもらう。
私よりずっと年上だと思われるご婦人が二人髪を染めていた。
私は堂々と白髪を自慢しながら鏡に向かう。
もう染めるつもりはない。これこそ年相応の美しさである。
髪を切ると心も軽くなった。何かを断ち切ったような気分になる。
今朝目覚めるなりパソコンを立ち上げるとメールが届いていた。
読者の方からで禁煙を激しく応援してくれている。
今度こそと私も思っているが不安がないわけではなかった。
気にかけてくれて応援してくれとても心強く思う。
最終的には強い意志が必要になるだろう。
決して負けるわけにはいかない。ゴールを目指して頑張ろうと思う。
「ニコチメル」を胸に貼り付けて出勤する。
不思議なものでそれを貼っているだけでとても落ち着くのだった。
ニコチンが少しずつ身体に吸収されているらしいが実感はない。
煙草を吸いたくなくなるのかと思えばそうでもなく
お昼下がりには無性に吸いたくなってしまった。
かと言って苛々するわけでもなくひたすら我慢を強いられていた。
同僚に相談したら「吸ったら死ぬぞ」と脅すので怖くなる。
医師の説明でもニコチンの過剰摂取になると聞いていた。
定時でタイムカードを押し逃げるように帰った。
今日はなんとか乗り越えたのだ。それが自信に繋がっていく。
あやちゃんが私と顔を合わせたくないのだそうだ。
それほどまでに嫌われてしまったのかとショックでならない。
おばあちゃんなんか早く死んでしまえと思っているのかもしれない。
私にも考えるところがありしばらく口を聞かないことにした。
ずっとずっと心配でならなかった。それが仇になったのだろう。
「うざい」その一言で私は簡単に傷つく。
けれどもあやちゃんの心の傷は誰が癒してやるのだろう。
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