穏やかな晴天。ぽかぽかと春らしい陽気となる。
近所の地場産市場で花の苗を買った。
ペチュニアと金魚草、どちらも夏まで咲きそうだ。
レジで支払いをしていたら店員の女の子が車まで運んでくれる。
杖を付いていたので気遣ってくれたのだろう有難いことである。
家に帰り早速庭先に植えようとしたのであるが
プランターを動かすことが出来ない。草も引けなかった。
地べたに座り込み這うようにしてなんとか植えることが出来る。
足が不自由になってから出来なくなったことが多くなった。
嘆いても何も変わらないのだと思う。受け止めるしかないのだろう。
まだまだ先が長いのだ。今から弱音を吐くわけにはいかなかった。
今日こそは完全禁煙をと決めていたが出来なかった。
夜明け前に娘の吸殻を5本ほど吸ってしまう。
昨日見つけた物の残りでなんと目障りなことだろう。
とにかく早く始末しなければと少し焦っていたようにも思う。
昼間はなんとか我慢が出来た。娘が仕事で留守だったので
吸殻は簡単に手に入れることが出来たがあえてそれをしなかった。
ほとほと自分に嫌気が差していたし馬鹿らしくてならない。
吐き気がするほど不味い物をどうして吸わなければいけないのだろう。
子豚はつくづく煙草の無い世界に行きたいと思う。
同僚や娘が吸っていなかったらとっくに禁煙出来ていた。
それはとても卑怯だし責任転嫁も甚だしいことであるが
周りからの影響と云うものはとても大きいと言わざるを得ない。
人は人。自分は自分と割り切れることが出来たらどんなに良いだろうか。
そのために必要な強い意思が子豚には足らなかったのだろうと思う。
明日はまた快楽に溺れるのかと思うと情けなくてならない。
この毒のようなループを断ち切ることは出来ないのだろうか。
子豚はまだ挫折はしていない。それが唯一の救いである。
|