躑躅(ツツジ)にはどれほどの種類があるのだろう。
多く見かけるのはピンク系の花であるが深紅や純白の花もある。
私が一番好きなのはピンク色の中心にほのかに紅をさしたような花だ。
今まで生きてきて一番綺麗だと思ったのは愛媛県の大洲市に行った時
山全体に躑躅が咲いておりそれは見事だった。
なんの目的もなく行ったのだが思いがけずに躑躅祭りが開かれていて
その山を目掛けて車を走らせたことがとても懐かしい。
それ以来大洲市に行ったことはないが今年もきっと見事に咲いているだろう。
朝の道では国道沿いに躑躅が植えられており心を和ませている。
特に伊豆田峠のトンネルに差し掛かる手前に沢山咲いている。
そんな道を白装束のお遍路さんがひとりふたりと歩いているのを
見るのも朝の楽しみであった。
そんな躑躅もやがては枯れるだろう。躑躅も散れない花である。
今朝は同僚に「今日で最後やけんね」と宣言をした。
「口だけはね」と笑う同僚のなんと憎たらしいこと。
彼は私の何を知っているのだろう。もしかしたら私よりも
私の本性を知っているのかもしれない。
朝の一服のなんと美味しいことだろう。ぼんやりとしていた頭が冴え
見渡す限りの新緑が目に鮮やかに映るのだった。
ああ生きているのだなと思う。それは至福のひと時であった。
けれどもいつまでも幸せではいられない。
明日からは我慢と辛抱の日が続くことだろう。
それも3日を乗り越えればきっと楽になるに違いない。
今夜はなんだかお通夜みたいな気分になってしまって
霊前に供える吸殻を探していたら娘の煙草ポーチを見つけた。
あまりにも無防備に目に付くところに置いてあったのだ。
ドキドキしながらポーチを開けたら吸殻が沢山入っていた。
全部盗んでしまったらきっとバレるだろうと思って
5本盗みなんとか霊前に供えることが出来た。
こんな不味い吸殻では故人も浮かばれないであろうが
何もないよりはマシだろう。お線香は吸えないが吸殻は吸えるのである。
子豚はこれまでの苦労を思い出している。
日々それを記しながら自分で呆れることが多かったが
今朝は読者の方からメッセージが届き「人間らしさ全開で面白い」と
思いがけない言葉を頂いた。そっか子豚も人間なのだと思った。
生きていると思うようにいかないことが沢山あるけれど
その生き様を書き残すことが出来て良かったと思っている。
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