2023年03月13日(月) |
散る花もあれば咲く花もある |
昨夜はぐっすりと眠っていて知らなかったが
まるで春の嵐を思わすような天気だったようだ。
雨上がりの朝のこと。北西の強い風が吹き荒れていた。
国道沿いの白木蓮の花が殆ど散ってしまっていて憐れだった。
道路には綿を敷き詰めたような花弁。その上を車が通り過ぎて行く。
痛かろう辛かろうと声を掛けずにいられなかった。
散る花もあれば咲く花もある。馬酔木、雪柳、岩つつじ、ラッパ水仙。
そうして何よりもあと数日もすれば桜の季節がやって来る。
何度目の春だろうかと今朝は思い出してた。
決して思い出ではないのにどうして思い出すのだろう。
死んだ子の年を数えてはいけないと云うけれどどうして忘れられようか。
あの子は6月に生まれるはずだった。もう49歳になろうとしている。
なんの供養もしてあげずに私ばかりが年を重ねて来たのである。
もしかしたら生まれ変わっているかもしれないと探していた。
ネット空間を彷徨いながら雲をつかむように歳月ばかりが流れる。
あの子かもしれないと思うと執着し取り乱したことも多々ある。
赦されるべきではない母としていったい何を求めていたのだろう。
あの子の命日を憶えていない。そこには漠然とした3月があるばかり。
桜が咲いていたことだけは憶えている。私は薄桃色の少女だった。
今はもう姥桜になってしまったが咲いてみようと思っている。
今年もきっと潔く散ることが出来るだろう。
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