ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2023年02月15日(水) 母の歌声

本当のことを知りたいだけなのに時は流れて身は霧のなか


誰もおしえてはくれない

真実は綺麗ごとなのだと

風は噂をするけれど



私は霧に包まれながら

少しずつ動き出していた



見えないのではなく

ただ遠くにそれはある


どれほどの時が流れても

きっと辿り着くだろう


霧が晴れたら語り合おう





今朝は苦労なく書けたが今読み返してみると意味不明である。

どうやら私は霧に包まれているようだが

いったい何を求めようとしているのだろうか。

「誰もおしえてはくれない」と言いながら

最後には「語り合おう」と言っている。

誰と語り合うのだろう。酷く矛盾しているように思えて来た。





年金支給日であり母の入居料を支払いに行っていた。

いつもお世話になっている介護士さんに会うことが出来て

ちょうど母がリハビリ室に居るとのこと。

病院の中庭を通り抜けリハビリ室の窓越しに母の姿を見る。

あまりにも久しぶりのことで胸がいっぱいになった。

窓際まで近づいて来た母の声がよく聞こえない。

ただ泣きながら笑っているような顔だけが見えた。

それもつかの間のことで互いに手を振り合って別れる。

私は痛む足を気づかれないようにと背筋を伸ばしていた。

二度振り向く。母はずっと手を振り続けていた。



介護士さんがSNSに母の動画を発信してくれたとのこと。

帰宅してすぐに見たらなんと母が歌っているのだった。

「おひなまつり」の歌で母の元気な声がとても嬉しくてならない。

再生ボタンを押し続けながらとうとう涙が溢れてしまった。


「あかりをつけましょぼんぼりにお花をあげましょ桃の花」

幼い頃に母が歌ってくれただろうけれど憶えてはいなかった。

だから私にとっては生まれて初めて聴く母の歌声であった。



ずっと電話もせずにいたこと。母のことを忘れたふりをしていた。

会いたいとも思わず声を聞きたいとも思わずにいたのだった。


今日はなんだかそんな後ろめたさから救われたような日だった。


 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加