如月の扉を開けて佇めば冬と春とが肩を並べる
まだ真冬と胸を張りつつ
きみは誇らしげな顔をして
冷たい息を風にまかせた
私のもとには便りが届く
春はすぐ近くにいて
南からの風を待っている
きみと肩を並べて空を仰ぐ
まるで背比べしているよう
きみの微笑みに負けないくらい
春も微笑んでいる
ひどい駄作。よくもまあこんなものをSNSで発信したものだ。
まったく呆れてものも言えない。
ああ駄目だ駄目だ。それでもまだ書き続けるつもりなのだろうか。
私はいったい自分に何を課しているのだろうと思う。
ただ書きたい気持ちだけでここまで辿り着いて来たのかもしれない。
今日から2月。予報では春のような暖かさになると聞いていたが
気温は上がらず寒い一日となった。おまけに午後からは小雨が降る。
立春を目前にして気が浮き立っていたせいかいささかショックなり。
ショックなのはそればかりではない。
また煙草の話になってしまうが日記なので許して頂きたい。
その日のことをありのままに記さねばならないのだ。
今日のノルマは3本だと信じていたけれどそうではなかった。
同僚はもしかしたら私の禁煙を阻止しようと企んでいるのではないか。
そんな疑惑でいっぱいになってしまった。
美しい姉弟愛は幻だったのだろうか。私はまた追い詰められる。
悔しくてならず午前中に4本のノルマを達成した。
もうこれで吸わなくても良いのだと思うとなんとも清々しい。
それなのに午後になるとなんと一箱も置いてあるではないか。
箱の中には一本だけラッキーストライクが入っていた。
他の煙草はいつも同僚が吸っている銘柄であった。
これはどういう意味かとしばし考える。
午後からのノルマだろうかと自分なりに結論を出したのだった。
そもそもどうして喫煙所に行くのかと疑問に思うかもしれない。
吸わないのなら行く必要がないことは当然のことである。
私にもどうしてなのかよく分からないけれど
ふらりとついつい足が向いてしまうのだった。
まるで夢遊病者のようである。
喫煙所と言っても工場の隅にベンチと灰皿が置いてあるだけなのだ。
扉が在る訳でもなくいつでも気軽に行ける利点がある。
私はこれまでずっと長いこと一本の煙草を5分かけて吸っていた。
つまりそれだけ仕事をサボっていたことになる。
そんなことが許されて良いのだろうかと今になって思うのだった。
もうよそう。本当にお終いにしようと今日は思った。
同僚は明日もきっとノルマを与えてくれるだろう。
私はなんとしてもそれを阻止しなければならない。
子豚にも意地がある。負けるわけにはいかないのだ。
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