ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2023年02月02日(木) 子豚の犯罪

ほんとうのことなど誰に分かるのか手探りのまま我が道をいく


信じていても心細くなる

不確かな迷路のような道



私にもあるらしい希望が

遠い処で輝いているけれど

相応しくないかもしれないと

臆病になってしまうのだった



行ってみないとわからない

触れてみないとわからない


もう踏み出している





いつも読んで下さっている方から「凄い良い」とコメントを頂く。

自分では全く自信が無いものだからあまり実感が湧かない。

まして褒められることに慣れていないから当然だろう。

そう云われればそうなのかなと漠然と思ったりしていた。

認められたい欲にずっと振り回されている。

いったい何様のつもりだろうと思う時がよくある。



寒さが和らいだ朝、職場に向かいながら自問自答をしていた。

煙草を吸いたいのか?吸いたくないのか?

それが即答出来ない。なんと情けないことだろう。


仕事を始める前にまた喫煙所へ行く。

同僚が煙草を吸っていて一本だけ分けてくれた。

二人で膝を突き合わせるようにして「連れモク」をする。

「連れション」があるのだから「連れモク」もあるのだろう。

正しい日本語とは思えないがここではそう記すことにした。


「もうこれっきりやけんね」と同僚が言った。

それはもう今日からのノルマが無くなったことを意味する。

やっと解放される時が来たのだと嬉しいような寂しいような。

同時になんだか崖っぷちから突き落とされたような気がした。


その後仕事に全く集中できない。

苛々ではなくそわそわとどうしても落ち着くことが出来なくなった。

その度に喫煙所へ行き溜息を付きながらシケモクを拾った。

短い吸殻ばかりでどうすることも出来ないのである。

そうして気が狂ってしまいそうな焦燥感に襲われていたようだ。


午後思いがけないことがあった。

もうこれっきりだと言っていた同僚が3本の煙草を置いてくれていた。

それはもうノルマではないのだと言う。

ただいつもの場所に置いてあるだけで私のためではないらしい。


勝手に吸ったら「置き引き」だと言う。

「立派な窃盗罪になるけんね」と笑いながら言うのであった。

私がそんな脅しに乗るとでも思っているのだろうか。

ここまで追い詰められて怯むような私ではあるまい。


1本盗めば2本も同じことだった。ええいやっちまえ。


同僚は被害届を出すと笑いながら言う。

笑ってはいけないのだ。もっと真剣に罪を責めなければいけない。


子豚には不思議と罪悪感が無かった。

明日も罪を重ねるのであろうか。もう引き返せないのだと思う。


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